月別アーカイブ: 2016年7月

ブラックルシアン。

ウォッカベースのカクテルで、ブラックルシアンというカクテルがございます。

ロックスタイルのカクテルで、ウォッカとコーヒーリキュールをステアするだけの

いたってシンプルなカクテル。最近なぜかよく注文されるので、今回はこのカク

テルについて語っていきたいと思います。

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一番右、ウォッカ(ストリチナヤ)

中央、イリィ、エスプレッソリキュール

一番左、ティアマリア、コーヒーリキュール

 

 

 

当店のブラックルシアンは画像にある酒で作っていきます。

4種類写ってますが、中央の2本は同じものですね。向かって左は

少し前のボトルで中身はもうありませんが、ちょっとした思い入れがあり、

捨てられずにとってあります。すみません、貧乏性なもので(笑)

しかし、この中央の新旧ボトル。味は変わりませんが、新ボトルには

エスプレッソリキュールという表記がありません。これは何故かというと、

イタリアではコーヒーといえばエスプレッソが当たり前なので、無表記で

構わないという、なんとも愛想のない理屈からくるものらしいです。

ですから名残惜しく思い、こうしてとってあるのです。ボトルの形状も

旧ボトルのほうが好きですね。なんだか、バベルの塔みたい。

元来、ブラックルシアンはウォッカとコーヒーリキュールのみで構成された

カクテルですが、当店の場合、コーリーリキュールのほかにこのエスプレッソ

リキュールを少し加えます。3対1の割合ですね。やはり苦みが特徴のエスプ

レッソですから、酒も苦みが利いてます。ウォッカとこのリキュールだけでも

いけますが、やはりそこは商品なので、味のバランスを考えてこのかたちに

おさまりました。少し苦みがあるのがおいしく、そしてお洒落なのです。

コーヒーリキュールは昔からティアマリアを使っています。当店にはカルアが

存在しません。カルアミルクはやはりよく注文いただきますので、置いておいたが

ほうが商売的には有利なのでしょうが、置きません。何故なら、嫌いだからです。

カルアファンの皆さま本当にすみません。昔、とあるバーのマスターさんと

こんな会話をしたことがあります。

マスター:「え、なに、カルアないの。よく頼まれるでしょ」

私:「頼まれるね。いちいち説明するのが面倒」

マスター:「じゃあ、置けばいいのに」

私:「置かない」

マスター:「なにそのこだわり。もっとほかに使ったら?」

私:「置かない。安っぽい合コンみたいだから」

マスター:「いいね」

私:「いいでしょ」

もはやコーヒリキュールの代名詞であるカルアは当店にはございません。

なんか、甘くておいしいですよね、あれ。しかし、ティアマリアのおいしさは

大人のおいしさです。大人の甘さです。と、まあ、余談が長引きましたが、

本題に戻しますと、当店のブラックルシアンはビルドスタイルではなく、ミキシン

ググラスでステアしてからオールドファッションドグラスに注ぎ、最後に削出しの

氷塊を沈めます。この処方が一番ベストな状態でお客様の手元にカクテルを届ける

ことができます。モアクール、モアビューティ。似たようなレシピのカクテルがた

くさんございますが、すべてこの処方、この精神で提供しています。だらだらと

書き綴りましたが、当店のブラックルシアン。一度お試しになってみてください。

葉巻にもよく合います。では・・