ながいもの。


新年明けましておめでとう

ございます。シエールの岡本です。

本年もよろしくお願いいたします。

さて、新年早々、1月3日に、

わたくし映画を観て参りました。

『YUKIGUNI 』というドキュメンタリ

ーの映画です。ご存知の方もおられる

かと思いますが、古いスタンダード

カクテルに雪国というカクテルが

あります。このカクテルを考案した

バーテンダーが、井山計一氏。日本

最高齢、現役で御年92歳の大ベテラ

ンです。1958年にこのカクテルで

壽屋(現在のサントリー)のカクテル

コンペ1位に入選しました。映画のタ

イトルのとおり、この映画は雪国とい

うカクテルを中心に、井山計一氏の半

生を描いたドキュメンタリーとなって

おります。何でしょう、私、この仕事

を長く続けている自覚があるようでな

いのか、あまり長さに関わる文言が胸

に響かないんですよね。本来ならこの

手の映画やドラマなどは見送るのが通

例ですが、私もカウンターに立つよう

になってから26年目に入ろうと

しています。短くはないこの時間がき

っと食指を動かせたのだとも思います

が、素直に足が向きました。劇中は胸

が熱くなりましたね。バーテンダーも

人の子。人並みの生活を営む上での苦

労はもう身をもって体験していますの

で、自己を投影させたり、古き良き

時代に思いを馳せてみたりの連続でし

た。「勉強しないとバーテンダーはつ

まらない」まったくその通りだと私も

思います。酒を提供するだけが我々

の仕事ではありません。その都度

酒の触媒になってこそ成り立つのでは

ないでしょうか。

私はこの仕事に高邁な理想論など

持ち合わせていません。むしろ凡庸で

あることに努め、時代と、その中に生

きる人々を傍らで見守る目でありたい

。そう願うばかりです。

長く続けていくということ。それは、

己と向き合い、人と向き合うことで

紡いでいく、自己研鑽の賜であると

私は思います。

では、また。

 

映画の情報はこちら。

http://yuki-guni.jp/