日別アーカイブ: 2020年3月16日

新型コロナウイルスとバーという業態。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今回は、もはや世界中で猛威を振るっている、コロ

ナウイルスとバーという業態、延いては、当店との

関連性について少し意見を述べさせて頂きます。

連日メディアで報道されている通り、世界中へと

拡散していったコロナウイルスですが、日本では、

政府による自粛要請の甲斐もあってか、被害は最小

限に抑えられています。個人的見解にはなりますが

、感染者数より、死亡者数が、現在のところ20人

程度というのは、世界でもトップクラスの危機回避

能力ではないでしょうか。うち半数はクルーズ船の

乗客であると聞いておりますので、実質10人程度

であるいう事になります。ただ、少人数とはいえ、

お亡くなりになっている方がいらっしゃるので、諸

手を挙げて喜ぶ事は不謹慎に値するのかもしれませ

ん。とはいえ、この数字は我々日本人の国民性を如

実に物語る、最良の結果ではないでしょうか。しか

し、こういった鉄壁の防御力を駆使すればするほど

、経済の方は顕著に悪化していきます。当然の結果

ですよね。コロナショックと云われるこの度の金融

危機は、2008年のリーマンショックと同等か

それを上回るとも云われています。ただ、リーマン

ショックは、経済のヒエラルキーからすれば、上段

から崩れていきましたので、末端までのタイムラグ

があり、その衝撃に気付かずに過ぎ去った方達も

多いかと思います。だが、今回は違う。まさに

川下から、非常にわかりやすく汚染が広がっていま

す。ドラスティックな自粛要請と風評被害によっ

て、末端の消費者は衝撃をまともにくらい、そも

そも、前述したリーマンショックや震災などの影響

で息切れ倒産が相次ぐと予想されていた、2019

年や、2020年である今年、とどめを刺された感

があります。既に中小企業や個人経営の会社や店舗

には諦めムードが漂い始め、取り分け、興行系や飲

食店などは非常に厳しい状態が続いており、もちろ

ん当店も例外ではありません。ですが、考えてみて

欲しいのです。そもそもオーセンティックという

看板を掲げたバーは、混み合う飲食店ではございま

せん。人との濃厚接触を避けつつ、ゆっくりと酒を

飲むには最適かと思います。ご新規の方々も含め、

この機会に、飲み方を変えてみるというのはいかが

でしょうか。今はただただ耐え忍び、悶々と日々を

過ごしている方も多いかと思います。近しい大切な

お仲間や恋人と酒を飲み、笑い、少しずつ日常を取

り戻して明日への糧としましょう。その過程の中

に、私共の存在が活かされれば幸いです。

では、また。当店にて、、

 

雨の日のルリビタキ。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

暖かくはなってきましたが、空模様がイマイチ安定

しませんね。そんな日が続く時は、無理に発散しよ

うとせずに、バーなどで一人の時間を設けてみては

いかがでしょうか。手前味噌ではありますが、お役

に立てると思いますよ。

ところで、冒頭の画像にもあるように、先日わたく

し、そぼ降る雨の中、新宿御苑へと単身足を運び

ました。実はその日の前日にいらっしゃったお客様

と、ふとしたきっかけで野鳥の話になり、一番に

思い出したのがルリビタキという鳥。俗に云う、

幸せの青い鳥として有名で、日本では、本州中部

以南で越冬する渡り鳥です。私がこの鳥を知った

きっかけはテレビドラマでした。92年にフジテレ

ビ系列で放送された、中村雅俊さん主演の『しあわ

せの決断』というテレビドラマで、主人公達がバー

ドウォッチングで探鳥していたのが、ルリビタキだ

ったのです。このドラマ、もちろんストーリーも

素晴らしかったのですが、舞台が横浜であった事

と、主題歌がエリック・クラプトンのワンダフル・

トゥナイトであった事から、当時、夢中になった

ドラマでした。特にクラプトンのワンダフル・トゥ

ナイトはお気に入りの曲でしたので、夕まぐれの

首都高速を背景に流れるオープニングのクレジット

を、毎回、恍惚と見入っていたのを覚えています。

うろ覚えではあるけれど、結局、ドラマの終盤

で主人公達はルリビタキを見つける事が出来て結ば

れ、ハッピーエンドだったはずですが、とにかく、

このドラマの中でルリビタキは終始珍重されていた

ので、どれだけ稀少な鳥なのかと思い込んでいたの

ですが、今になってお客様の話を聞いていました

ら、実はそれほどのものではなく、割と頻繁に、し

かも、近場で遭遇する事が出来るという話でしたの

で、にわかに期待で胸が膨らみ、早速調べましたと

ころ、どうやら新宿御苑や明治神宮などでも見られ

るらしかったので、店の買い物がてら新宿御苑に

立ち寄る事を決めたのでした。私、望遠のカメラ

など持ち合わせておりませんので、自宅を隈なく

ひっくり返して、小型の双眼鏡を引っ張り出すと、

意気揚々と小雨の中を出掛けて行きました。

何でしょう、極めて恣意的に動きましたけど、実は

雨の日にわざわざ出掛けたのには、もう一つ理由が

あったのです。

気持ちよく曇っています 笑

雨の日の日本庭園も風情がありますね。

こちらは藤棚。季節ではないというのと、悪天候も

手伝って、何だかボロ小屋のような佇まい。

寒桜です。人が多すぎて端の方しか撮れませんでし

た。外国の方が枝を引っ張って撮影していたので

注意したかったのですが、体の大きさが私の1・5

倍ほどもありましたので控えました。

そしてこれがスマートフォンで捕えた野鳥です 笑

画像の中央に写っていますが、曇り空も影響して、

まったく見えませんね。まるで未確認生物のよう

笑 双眼鏡を駆使して確認したところ、シジュウカ

ラである事が判明致しました。このあと、しばらく

の間探鳥を続けました。雨の日は曇り空で高所に

いる野鳥が見えづらいため、地面に落ちた木の実な

どを物色している野鳥を探すのがコツとお客様には

事前に聞いておりましたので、地面にも気を配って

はいましたが、チュンチュンと、馴染みのある鳴き

声でさえずる雀しか発見出来ず仕舞い。ここはもう

恥も外聞も捨てて、そこかしこに散見できる、一眼

レフ武装のカメラを携えたバードウォッチのベテ

ラン勢に、ルリビタキの情報を尋ねたところ、皆さ

ん口を揃えて今日は見てない、もしくは、しばらく

見てないと、悪びれもなく、ただ事実だけを伝えて

くれました。これにはさすがに私も心が折れてしま

い、肩を落として嘆きました。鈍色の空を見上げる

と、「そんなぁ、、」不意に弱気な言葉が口から

漏れる。私には、青い鳥を見る権利さえないのか。

自暴自棄に思考が流れ始めたその時。あれは、、!

悔しかったので、腹いせにマガモをスマートフォン

で撮ってやりました 笑 何故か心が安らぎます

ね。ちなみに、ルリビタキとはこのような鳥です。

青い鳥はオスだけなのですが、美しいフォルムです

ね。全長14センチほどで、割と小ぶりなのです

が、幸せの青い鳥の名に相応しく、何とも優美な

佇まい。鳴き声も可愛らしいので、良かったら聴い

てみてくださいね。

ルリビタキを見つける事が出来なかったのは残念で

すが、私は第二の目的である場所へと歩を進めまし

た。本来ならば自らシャッターを切るべきなのです

が、この場所は人の流れが中々途切れなかったの

で、画像を拝借させて頂きました。晴れている日な

ので見やすいかとも思いますが、この場所には雨の

日に訪れたいものです。今は時の人。新海誠さんが

手掛けたアニメーション映画。『言の葉の庭』

舞台となった、新宿御苑の東屋ですね。

私、この映画の初見はYoutubeで。大ヒットを記録

した映画、『君の名は。』の公開の数年前でした。

とても短い映画で一時間もないのですが、強く感銘

を受けた映画です。後々新海誠さんがここまでの

ビッグネームになるとは思いませんでしたが、この

作品で既に、その類稀なる才覚の片鱗は窺えますよ

ね。しかし、新海誠さんの作品はほぼ網羅していま

すが、私が新海誠さんの作品で好きな作品はこの

映画だけなのですけどね 笑 最早、気鋭のアニメ

ーション映画監督から、日本屈指の映画監督へと

華麗なる? 笑 転身を遂げた新海誠さん。私、同

世代なので、勝手な親近感が昔からありまして。

今日に至っては喜ばしい限りです。この新宿御苑

の東屋は、主人公のタカオと雪野先生が出会った

場所として有名ですよね。平日の昼間、しかも雨の

日だというのに、若いカップル達が輪番に座り込ん

でいましたので、一瞬の間隙を縫って、一、二分

お邪魔させていただきました。慌しくはありました

が、斜向かいの、学生さんでしょうか、若いカップ

ルが、板チョコを口に頬張っている姿がとても微笑

ましく目に映りました。雪野先生が発泡酒のつまみ

に用意していたのが板チョコレート。劇中、雨の日

の午前中に酒と板チョコレートで読書に耽る女教

師。かなりセンセーショナルな絵ですよね。実際の

ところ。新宿御苑は酒類持込み禁止ですから、板チ

ョコレートだけでも体験したかったのでしょうね。

彼女の方が、嫌がる彼氏に板チョコを強要している

姿がまた絶妙に可愛らしかった 笑 本編には無い

シーンですけどね 笑 まあ、聖地巡礼としては

百点満点ですね。こちらは笑いを堪えるのに必死で

したけど。

さて、このあたりで私がバーテンダーである事を

思い出してもらわなくてはならないので、カクテル

の話を少ししていきます。今回は野鳥をテーマに致

しましたので、野鳥の名を冠するカクテルをご紹介

致します。

前回のマルガリータに引き続き、今回もテキーラを

ベースとした、モッキンバードというショート・

カクテルになります。名前の由来は、主に中米南米

に生息する野鳥の名で、副材料にグリーンミントの

リキュールとフレッシュライムジュースを使いま

す。ミントなので好き嫌いが分かれますけど、ベー

スのテキーラも含め、それぞれ癖のある個性がうま

く調和したバランスの良いカクテルだと私は思いま

す。お味の方はどうかといいますと、これはモッキ

ンバードに限らないのですが、ハーブ系のリキュー

ルと柑橘類をミックスすると、子供用かぜシロップ

に味が似ます。これにテキーラを加えた味といえば

想像がつきやすいでしょうか。テキーラがベースの

カクテルの場合。熟成をさせない無色透明のブラン

コを使用しますので、これらはテキーラの中でもあ

まり癖の無いタイプのテキーラですから、ブランコ

特有の青臭さが多少加わる程度で、そんなに、驚く

ほど味が変化するという訳ではありません。ハーブ

系。特にミントがお好きな方には自信をもってお勧

め出来ますし、ナイトキャップ。または、リカバリ

ーカクテルとしても役に立つ優れ物です。

背景が暗いと色合いがヴィヴィッドですね。実物の

モッキンバードとはかなり掛け離れていますけど。

こちらがモッキンバードです。和名はマネシツグ

ミ。モッキンバードとは、モノマネをする鳥という

意味になりますが、見ての通りボディは薄い灰色

で、とても地味な印象の鳥です。全長は20センチ

から30センチほどはあり、小鳥ではない大きさで

す。そして、この鳥の名前にもあるように、最大の

特徴は、さえずりの合間に鳴き真似を挟んでくる事

です。真似るのは主に、他の種類の鳥の鳴き真似

か、犬など別の動物の鳴き真似。珍しいものだと、

ピアノの音や、車のクラクションなんかもレパート

リーに入っているらしいですよ。残念ながらそうい

った動画は見当たりませんでしたが、モッキンバー

ドの美しいさえずりも是非聴いてみてくださいね。

では、今回はこのあたりで。また、、