日別アーカイブ: 2021年10月13日

さよなら。そして、ようこそ。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

10月とはいえ夏日が続いて調子が狂いますよね。

着る物にも困ってしまいます。

さて、冒頭にもあるようにレコードを破損させて

しまいました。これはかなりショックが大きく、

営業中に手を滑らせてしまったのですが、もう

そこからの記憶が曖昧になってしまうほどの

大ダメージを受けました。割れたのはビル・エヴァ

ンスのアゲインというアルバム。当店のレコード

の中ではかなりの古株で、15、6年ほど前から

大切に聴いていたのですが、よりによってこの

アルバムを割ってしまうとは、、悔やむに悔やみき

れず、破片をかき集めて繋ぎ合わせ、ある一定の

距離を保ってしばらく眺めたりしていました 笑

ビル・エヴァンスを少し知っている方ならご存知

のこのアルバムは、ワルツ・フォー・デビーなどで

有名な伝説のリバーサイドトリオ。ベースのスコッ

ト・ラファロが交通事故で夭逝し、そのショック

から立ち直ろうとビルがリリースしたアルバムが、

ソロで臨んだこちらのアルバム。

アローンです。タイトルの通り、一人ですね。

こちらも言わずと知れた名盤ですが、この

アルバムの評価が高かったため、続編として

録音されたものがこの度割ってしまったアローン

アゲインでして。ビル特有のキャッチーで

澄んだ旋律に加えて、より洗練された彼の

心象風景を物語っている逸品です。実際、

営業中の活躍も多く、メロウで静謐な空間を

演出するには最適なアルバムでした。

さて、悔やみ続けても詮ない事。再生と

新たな出会いを求めてレコード店へ。通販

も良いのですが、天気も良かったし、今回は

ディスクユニオンさんの新宿ジャズ館へ足を

運んで参りました。ここは品揃えが豊富なので、

名盤と謳われるものならば在庫があるはず、、

と、踏んでいたのですが、、タイミングが悪かっ

たようで、在庫はおろか、入荷の予定もまったく

ないとの事。予想の範疇ではあったものの、店員

さんの悪意のないテキパキとした対応に気圧され、

現実に戻ってくるのに幾ばくかの時間を要しました

が、知っていたとばかりに、次のフェーズに移行

する事に。

無いものは仕方ない。自分に言い聞かせながら

店内を周り、次の目的へと思考を走らせます。

こちらはキース・ジャレットのケルンコンサートに

なります。こちらも名盤ですが、聴きすぎて

摩耗が激しく、ノイズや音飛びが頻繁になってきて

しまったため、買い替えです。向かって右が新しく

仕入れたものですが、明らかに左の方が新しく

見えます 笑 まあ、これは中古レコードには

よくある事なので気にしません。確認しましたが、

中身はいい音ですので、問題ありませんね。

またあの瑞々しい救いの旋律が店内に戻ってきます。

ピアノの即興ソロなのですが、ドイツのケルン大聖

堂で行われたライブの録音で、大音量で聴くと、

心の浄化作用があります 笑 1975年の作品

ですが、居合わせた何人かは、間違いなくアナザー

ワールドを体験したはずです 笑 序盤のラストに

強いビートを感じる場面があり、人によってはこの

作品をロックだと評します。この方は一応、ジャズ

ピアニストの括りになるのですが、まあ、確かに、

少なくともこの作品はジャズではないですね。

そしてこちらがマイルス・デイヴィスの代表作

の一つである、カインド・オブ・ブルー。

実はこのアルバムはCDしか用意できていなかっ

たので、この機会にレコード盤を購入する事に。

ただ、通常見慣れているのはこちらのジャケットで

しょうね。

ですが、この日に見つけたカインド・オブ・

ブルーは新品な上に、シングルレコードの

ボーナストラック付きだったので、迷わず

こちらを選択しました。ボーナストラックには

ストレート・ノー・チェイサーが収録されて

おり、ジャケットがまた良かった。

ちょっとわかりづらいのですが、マイルス

がチェイサーなどいらぬと、手で制している

様なんですよね。真っ直ぐと伸びた腕が、

キッパリと断っている様子を表しています。

マイルス・デイヴィスといえば、モダンジャズ

の代表格で、時代に応じた音楽シーンを常に

牽引してきた存在ですから、このジャケットの

ように、メリハリのあるお人柄だったのかもしれ

ませんね。痺れます。

以上が今回仕入れたレコードになります。残念

ながら本懐は達成できなかったのですが、いずれ

またどこかで出会えると信じて、今回は潔く諦める

事とします。皆さんも是非、当店に遊びにしらした

際には、これらのホットチューンをあわせてお楽しみ

ください。勿論ご注文は、ウイスキーのストレートを、

ノーチェイサーで。

では、また、、