皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。
先月の24日と今月の11日に、20年以上もの
間愛用していた電化製品二つとお別れ致しました。
先に逝ったのはカウンターに沿って配置していた
業務用コールドテーブルタイプの冷凍庫。そして
後を追うようにキッチンに配置していた家庭用冷蔵
庫が静かに息を引き取りました。
嗚呼、、同志よ。さようなら。冷凍庫はバーの要
ですからね。20年もよく働いてくれました。
お疲れ様。寿命はとっくに終わっているはずなの
に、零細の店主を気遣ってか、随分と踏ん張っても
らいました。繁盛した日々も、閑古鳥が鳴く日々も
共に乗り越えた戦友です。
うぅ、、こんな、、あられもない姿に、、、
しかし汚いなぁ 笑
こちらが新入りです。これから共に歴史を刻んで
ゆきます。頑張りましょう! 笑
そしてこちらは後を追うように息を引き取った
キッチンの主の御遺体になります。まるで眠って
いるように安らかです 笑 先の冷凍庫と同期です
から、こちらも天寿を全うしたと言えるでしょう。
白物家電も長くなると愛着が湧くものですね。
20年間本当にお疲れ様。ありがとう!
しかし、、、汚いなぁ 笑
こちらも新入りです。カウンターの冷凍庫がフロン
ガスの規制で内側の容量が物理的に削られてしまっ
たので、こちらの新入りは冷凍室の容量を増加し、
カウンターの冷凍庫と合わせますと、以前より
冷やせる酒が増えました。とても優秀な子です。
当店は純然たるバーですから、こういった使い方の
方がしっくりきます。
さて、今回は相次ぐ訃報に思わず筆を取りました
が、旅立っていった冷蔵庫達を目の当たりにして、
私はある小説を思い出したのです。
ヒキタクニオさんの『俺、リフレ』という小説で
す。ひょんなことから意思を持ってしまった冷蔵庫
のお話。帯にもあるように、本当に泣ける小説です
笑 私は序盤、リフレ(冷蔵庫の名前)が自身の
構造について語るシーンで、「血液は電流だ」と
いう台詞があるのですが、そのあたりから
惹き込まれて、あっという間にリフレの虜になりま
した 笑 まあ、何せ冷蔵庫の一人称で進む物語
ですから、稚拙に感じる場面もままありますが、
家主の家族を何とか守ろうとする冷蔵庫のいじらし
さが切なすぎて、涙が止まりませんでした 笑
お勧めの小説です。他に冷蔵庫物だと、やはり阿刀
田高さんの『冷蔵庫より愛を込めて』が有名です
よね。
短編集ではありますが、私も昔読んで、阿刀田さん
の職人芸に感銘を受けました。どちらも良いのです
が、今の私の心境だと、『俺、リフレ』になるので
す。この小説はもっともっと評価されても良いはず
なんですけどね。実写化を心待ちにしています 笑
最後になりますが、これで幾つ目でしょうか、
店の家電や設備が寿命を迎えたのは。エアコンに
冷蔵庫の面々。トイレのタンクにターンテーブル
と。数え上げてみれば結構な頻度で旅立ちを
見送っています 笑 次は私ですかねぇ、、笑
そうならないよう、日々精進致しますので、今後と
もよろしくお願い致します。
では、また、、