皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。
口に出すのも飽きましたが、暑いですね〜 笑
歴史的な猛暑はさることながら、付け加えて
南海トラフや台風もあったりと。凶事だらけ
の夏はもはや、不安と戸惑いしかありません
よね 笑 さて、そんな中、今回はキリコ展。
今年の4月末から開催していましたが、夏休み
を利用してやっとお邪魔することが出来ました。
まず、キリコとは。ジョルジョ・デ・キリコと
いいまして、1888年7月〜1978年11
月まで生きたイタリアの著名な画家です。
日本でもポピュラーなスペインの画家。サルバ
ドール・ダリが強く敬愛していたことでも良く
知られています。
キリコといえば、形而上(けいじじょう)
の絵画です。その初期の作品の一つが、こちら
のイタリア広場になります。形而上とは、現実
の奥の現実。〝超自然〟という意味合いを持ち、
後にフランスに端を発し、ヨーロッパ全土を
風靡した美術様式の一つである、シュルレア
リスム(〝超現実〟)の礎ともなりました。
もちろんダリもこの流れの中で一時代を築い
たのです。特にキリコの形而上の絵画にインス
パイアされた作品は多いのではないでしょうか。
これらはキリコとダリのそれぞれの代表作
の一つである、「ストリートの謎と憂鬱」
と、「記憶の固執」です。前述した通り、
キリコの提唱した形而上とは、〝超自然〟
ダリが牽引したシュルレアリスムは〝超現実〟
キリコの作品は左右非対称の遠近法や、一見
無関係そうな物同士(主に三角定規や彫刻など)
を組み合わせて描く謎の造形物など。奇抜なの
ですが、まだ現実に基づいているものをモティ
ーフとしているケースが多いのですが、ダリ
の場合。一言で言ってしまえば、ぶっ飛んで
います 笑 モティーフにするものは時計や
人が多く、もちろん現実に基づいているの
ですが、どれもどろりと溶けていたり、バラ
バラに散乱していたり、奇形であったりと、
まともに原型を留めているものはほぼありま
せん 笑 おそらく彼を通した事物はその
ように見えていたのでしょうね 笑
20世紀初頭。形而上を提唱し、シュルレア
リスムの草分けとなったキリコ。それを触媒
とし、広めていったダリ。そう。実はこの二人
の関係性もまた、前衛芸術における20世紀に
生まれた革命的な実験。〝モダニズム〟の変遷
を物語っているのです。両者にそれほど時間の
差はないのですが、どの作品にしても、ダリの
作品の方が新しく感じるのはやはり、プロト
タイプと新型の違いなのでしょうね。どちら
にも良さはあるし、観るものの好みもありま
す。これはもしかすると年齢も影響するので
しょうか。私、若い時分ではダリの方が好み
でしたが、ここ10年はキリコに気持ちが
傾いています。魂の解放は程よく。が、今は
しっくりくるのです 笑 ダリの作品は
自由度が高過ぎて、まともに向き合うと
胃もたれが生じます 笑 まあ、これも
人それぞれなのですけどね。
形而上のもう一つの顔であるマヌカン
(マネキン)。これもまた独特の個性と
インパクトがありますよね。今回の目玉
にもなっているこちらの作品は、「形而上
的なミューズたち」になります。メインの
マヌカンに重なっているマヌカンは、作家、
作曲家であった実弟のアルベルトであると
という説があるそうです。安定の三角定規
に不思議な遠近法。しかし、何故マネキン
なのか、、。わかりません 笑
それと、この帽子なのですが、私、不謹慎
にも、、
この帽子がすぐ頭に浮かんできてしまい、
現場で実物を前に、笑いを堪えるのに
必死でした 笑 もしかすると、ピンポン
パンがこの作品を参考にしたのかもしれま
せんね 笑
さて、今回は遅ればせながらお邪魔した
デ・キリコ展の様子を少しお話ししました。
この展覧会は今月、8月29日(木曜日)
までとなります。まだ少し時間があります
ので、興味のある方は足を運んでみても
良いのではないでしょうか。
では、また、、