デ・キリコ展。2024


皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

口に出すのも飽きましたが、暑いですね〜 笑

歴史的な猛暑はさることながら、付け加えて

南海トラフや台風もあったりと。凶事だらけ

の夏はもはや、不安と戸惑いしかありません

よね 笑 さて、そんな中、今回はキリコ展。

今年の4月末から開催していましたが、夏休み

を利用してやっとお邪魔することが出来ました。

まず、キリコとは。ジョルジョ・デ・キリコと

いいまして、1888年7月〜1978年11

月まで生きたイタリアの著名な画家です。

日本でもポピュラーなスペインの画家。サルバ

ドール・ダリが強く敬愛していたことでも良く

知られています。

キリコといえば、形而上(けいじじょう)

の絵画です。その初期の作品の一つが、こちら

のイタリア広場になります。形而上とは、現実

の奥の現実。〝超自然〟という意味合いを持ち、

後にフランスに端を発し、ヨーロッパ全土を

風靡した美術様式の一つである、シュルレア

リスム(〝超現実〟)の礎ともなりました。

もちろんダリもこの流れの中で一時代を築い

たのです。特にキリコの形而上の絵画にインス

パイアされた作品は多いのではないでしょうか。

これらはキリコとダリのそれぞれの代表作

の一つである、「ストリートの謎と憂鬱」

と、「記憶の固執」です。前述した通り、

キリコの提唱した形而上とは、〝超自然〟

ダリが牽引したシュルレアリスムは〝超現実〟

キリコの作品は左右非対称の遠近法や、一見

無関係そうな物同士(主に三角定規や彫刻など)

を組み合わせて描く謎の造形物など。奇抜なの

ですが、まだ現実に基づいているものをモティ

ーフとしているケースが多いのですが、ダリ

の場合。一言で言ってしまえば、ぶっ飛んで

います 笑 モティーフにするものは時計や

人が多く、もちろん現実に基づいているの

ですが、どれもどろりと溶けていたり、バラ

バラに散乱していたり、奇形であったりと、

まともに原型を留めているものはほぼありま

せん 笑 おそらく彼を通した事物はその

ように見えていたのでしょうね 笑

20世紀初頭。形而上を提唱し、シュルレア

リスムの草分けとなったキリコ。それを触媒

とし、広めていったダリ。そう。実はこの二人

の関係性もまた、前衛芸術における20世紀に

生まれた革命的な実験。〝モダニズム〟の変遷

を物語っているのです。両者にそれほど時間の

差はないのですが、どの作品にしても、ダリの

作品の方が新しく感じるのはやはり、プロト

タイプと新型の違いなのでしょうね。どちら

にも良さはあるし、観るものの好みもありま

す。これはもしかすると年齢も影響するので

しょうか。私、若い時分ではダリの方が好み

でしたが、ここ10年はキリコに気持ちが

傾いています。魂の解放は程よく。が、今は

しっくりくるのです 笑 ダリの作品は

自由度が高過ぎて、まともに向き合うと

胃もたれが生じます 笑 まあ、これも

人それぞれなのですけどね。

形而上のもう一つの顔であるマヌカン

(マネキン)。これもまた独特の個性と

インパクトがありますよね。今回の目玉

にもなっているこちらの作品は、「形而上

的なミューズたち」になります。メインの

マヌカンに重なっているマヌカンは、作家、

作曲家であった実弟のアルベルトであると

という説があるそうです。安定の三角定規

に不思議な遠近法。しかし、何故マネキン

なのか、、。わかりません 笑

それと、この帽子なのですが、私、不謹慎

にも、、

この帽子がすぐ頭に浮かんできてしまい、

現場で実物を前に、笑いを堪えるのに

必死でした 笑 もしかすると、ピンポン

パンがこの作品を参考にしたのかもしれま

せんね 笑

さて、今回は遅ればせながらお邪魔した

デ・キリコ展の様子を少しお話ししました。

この展覧会は今月、8月29日(木曜日)

までとなります。まだ少し時間があります

ので、興味のある方は足を運んでみても

良いのではないでしょうか。

では、また、、