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年末年始のお知らせ。2023

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

季節は12月を迎え、寒さも本格さを増してい

き、世の中は師走然と動いていきます。今年も

また、置いていかれないように必死です 笑

取り急ぎ、当店の年末年始の営業日をお知らせ

致します。

 

2023年、年末は12月30日(土曜日)

まで、2024年、年始は1月4日(木曜日)

からの営業となりますので、よろしくお願い

致します。今年も残り僅か。皆様のご来店を

心よりお待ちしております。

では、また、、

駒田蒸留所へようこそ(ネタバレなし)

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

木枯らしも吹いてすっかり秋模様。朝晩の冷え

込みが身に染みますね。さて、タイトルにもある

通り、今回は駒田蒸留所へようこそという映画の

お勧めです。もう既に勧めた方もいますが、感想

も含めて少しお話ししますね。

本作品は、日本のアニメ制作会社、P.A.WORKS

制作のお仕事シリーズ第5弾になります。

ウイスキーの小規模蒸留所で繰り広げられる

人間模様をつぶさに描写したアニメーション

映画ですね。家族の絆。ウイスキー作りの尊さ、

仕事選びの難しさなどがテーマになっているで

しょうか。

私はウイスキーや洋酒に携わる立場ですが、

忖度抜きで出来栄えは上々です。まず、ウイス

キーという題材は別として、映画自体のクオリ

ティがそれなりに高い。主役級の役どころにも、

有名な声優陣を起用しています。もちろん、主題

であるウイスキー作りに関しては、本作品は

ウイスキー作りの専門家が協賛していますから

、興味のある方は勉強になる部分も多々あるか

と思います。特にウイスキー作りの工程や、日本

におけるウイスキー市場の趨勢などは、アニメ

ーションならではの解りやすさがありますから、

退屈せずに学べるのではないでしょうか。

これからご覧なる方のためにもあまり核心に

触れるようなことは言えませんが、洋酒を扱う

者の端くれとして、この作品を楽しむ上で、一つ

だけアドバイスがあります。劇中後半部分で、

〝カスク・フィニッシュ〟という言葉を耳にする

ことになります。この〝カスク・フィニッシュ〟

とは、ウイスキーの樽熟成に関わる言葉です。

カスクとは、ウイスキーを熟成させる樽のこと

です。まあ、直訳すれば、樽の終わり。終わりの

樽。になりますね。そのままの意味なのですが、

ウイスキーの熟成工程では、その熟成期間の

最後の数ヶ月だけ、それまでの樽から別の樽へと

移し替えて行う、謂わば追加熟成を〝カスク・

フィニッシュ〟と呼称します。効果としては、

移し替えた最後の樽で寝かせたその樽の個性が、

そのウイスキーのフレーバーに大きな影響を与え

ることが出来ます。例えば、最後の樽をワインを

熟成させていた樽にすれば、そのウイスキーに

はワインのフレーバーが宿ります。もちろん、

それまで熟成させていた樽の個性も引き継いで

のことなので、組み合わせによっては、一種類の

ウイスキーで様々な個性を生み出すことが可能

になるのです。このあたりを頭に入れてこの作品

をご覧になると、感動もひとしお。よく出来てる

映画だなぁと。個人的には感服致しました 笑

上映時間も91分と、程よい長さで疲れません。

ふと時間が空いたときにでも、ご覧になってみて

はいかがでしょうか。視聴後は是非バーへ足を

運んでいただき、時間の掛かるウイスキー作り

の尊さを、その口、その舌で味わってみてくだ

さい。では、今回はこの辺で。また、、

新入荷。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

さて、新入荷です。まずはこちら。

スコッチウイスキーのスペイサイド地区から。

ダグラスレイン社。プロヴェナンスシリーズ、

2013 8年のダルユーインですね。以前

紹介したリンクウッドと同様に、元々シングル

モルトとしては世に出ることがあまりない銘柄

ですので、知名度としては低めですかね。

ダルユーインはブレンデッドウイスキーの

ジョニーウォーカーのキーモルトの一つとなって

おります。とにかく、フルーティ。柑橘を感じる

甘さがありますが、アルコール度数46度と、

ほんの少し高めてあることで、すっきりとした

抜けがあります。是非一度お試しを。

続きましてこちらもスコッチのスペイサイド

地区から。定番のアベラワー10年 フォレスト

リザーブ。アベラワーといえば、シェリーカスク

とバーボンカスクのダブルカスクマチュアード。

最近はずっと12年の方をおいておりましたが、

しばらくこちらです。ちなみに、12年の前は

アブナックという、シェリーカスクのカスク

ストレングスがおいてありました。これらは

同時期に被せておくようなことはなく、一銘柄

ずつ、意図的に輪番性を持たせてあります。これ

はすべてを揃えるまでもない、という考えから

ですが、決してマイナスな思考ではありません

笑 例えば、ダブルカスクマチュアードといえば、

グレンドロナックも有名ですよね。このように、

他の銘柄でも似たようなものが存在しますが、別

の銘柄になりますから、当然。それぞれのエピソ

ードを楽しめます。それに比べて似たような特徴

で同じ銘柄ですと、楽しみが半減しますので、

当店では、同じ銘柄で揃えることは滅多にしませ

ん。何せバックバーが狭いもので 笑 おきたく

てもおけない実状があったりなかったり。アベ

ラワーはいつの時代でも、世界のウイスキー市場

でシェア率トップ10に入る優れものです。まだ

お試しになっていない方は是非。

さて、今回はこの辺で。では、また、、

お待たせしました。カボチャのカクテル

始まるよ 笑

今週末の三連休。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今週末からの三連休ですが、10月8日(日曜日)

は19時〜2時まで営業致します。代休として、

10月9日(月曜日)はお休みとなりますので、

よろしくお願い致します。

では、また、、

再入荷。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

さて、再入荷です。今回も無事に入荷出来まし

た。どれもポピュラーな銘柄ですので、しばらく

安定してくれると嬉しいですね。

アラン10年。アラン シェリーカスク。

ラガヴーリン8年。どれもお手頃です。まだの

方は是非お試しください。

では、また、、

新入荷。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

いくつか新入荷のお知らせです。

まずはこちら。

コニャックブランデー。ラニョーサボランの

VSOPになります。オールドボトルになります

が、昨今の洋酒事情からすればお手頃かと思い

ます。暑さが次第に落ち着いて涼しくなってくる

と、ブランデーが恋しくなりませんか。ラニョー

サボランはプロプリエテールという、コニャック

を語る上ではもはや欠かせない要素である。完全

自家生産を行なっている名門の一つです。完全

自家生産とは、栽培・発酵・蒸溜・熟成・瓶詰と

全ての工程を自家の土地で行なっているワイナリ

ーや、蒸留所を指します。シングルコニャックな

どと呼称されていますね。本銘柄も香りが高く、

とてもジューシーで手作り感のある逸品となって

おります。葉巻との相性も良いですよ。是非

お試しください。

続いてこちらは、シグナトリー社のカリラ9年。

アルコール度数46度と、カスクストレングス

ではないのですが、ノンチル、ノンカラー。

ホグスヘッドの樽で寝かせた塩辛い、私好みの

カリラです。低めのアルコール度数の割に余韻

が長く。後を引く味わいです。カスクストレン

グスが辛い日など、使い分けでお楽しみ頂ける

かと思います。お試しください。

さて、今回はこの辺で。またお待ちしております。

では、、

お盆休み。2023。

皆さんこんにちは。バー シエールの岡本です。

暑いはもう言い飽きましたよね。私も倒れない

ように必死な毎日です 笑

さて、お盆休みなのですが、今年は日曜日以外は

通常営業致します。良かったら顔を出してくだ

さいね。では、また、、

営業日の変更。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今週末からの三連休ですが、7月16日(日曜日

)は、19時から2時まで営業致します。代休

として、7月17日(月曜日)がお休みになり

ますので、ご留意ください。では、また、、

ガヴディとサグラダ・ファミリア展。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

蒸し暑いですねぇ。炎天下でなくとも熱中症には

注意しましょう。

さて、タイトルにもある通り、未完の世界遺産。

サグラダ・ファミリアの展覧会が、6月13日〜

9月10日まで東京国立近代美術館にて開催中

でございます。私の記憶が確かなら、2010年

11月。ローマ法王ベネディクト16世がサグラ

ダ・ファミリアを訪れて聖別ミサを行い、バシ

リカとなったことで、それまで急いでいた工事に

より拍車が掛かり、完成まで300年は掛かる

といわれていた工事にようやく終わりが見え始め

たというのがこの頃であったと思います。当時

一建築士として設計事務所に勤めていたお客様

と盛り上がった覚えがありますね。この方は会社

の旅行でサグラダ・ファミリアを訪れた経験が

あったので、その旅行の話を興味津々とばかり

に聞き入っておりました。

展覧会には私、先んじてお邪魔して参りましたが、

あまりにも混雑していたので時間が押してしまい

、完全には廻ることが出来ませんでした(どこか

でもう一度行きます)そこで今回は、多少の展覧

会の様子を交えながら、これまでのサグラダ・

ファミリアの歴史をかいつまんでお話しさせて

頂きます。

皆さんご存知でしたか。サグラダ・ファミリア

教会は着工してから約140年もの時間が経過

しているのです。「神はお急ぎでない」という

名言を残し、1926年。初代建設家フラン

シスコ・ビリャールからバトンを受け取り、その

建設に身命を賭したアントニ・ガヴディはこの世

を去りました。ですが、目下ガヴディの没後

100年である、2026年に完成といういち

おうの目処が立っております。

サグラダ・ファミリアとは聖家族教会という意味

を持ち、イエス・キリスト、養父ヨセフ、聖母

マリアに捧げられたキリスト教の聖堂です。幾つ

もの鐘塔がまるで剣山のようにそびえ立っている

その一つ一つには、聖家族というだけあって

イエス・キリストとゆかりのある縁者の名前が

付けられています。聖母マリア、福音書作家、

12使徒と、完成すればその数なんと18本。

2023年6月現在。未完の塔は中央の最も

高層であるイエス・キリストの塔を含めて残り

6本ほどかと思われますが、これをあと3年で

、、ですか。んー、、笑

茶色の部分が未完です。まあ、コロナ禍も挟み

ましたから、間に合わないとは言われています

けれどね 笑 それでもガヴディが亡くなった

100年前よりは格段に捗っているかと思います。

もちろん時代が違うので、テクノロジーの発達に

よる圧倒的な処理数の差異はあります。しかし、

問題はそこではなく、彼の死因に関わってくるの

です。ガヴディは不慮の事故で唐突に亡くなって

おりますので、バックアップといいますか。それ

がなかったのです。もちろん当初は膨大な数の

設計図や模型は存在していたのですが、ガヴディ

が着工してまもなく、スペインの内戦による戦火

でその大半を焼失していたのです。そしてガヴディ

の突然の死。何の引き継ぎもないまま、一度は

建設中止になりながらも、7年後。民衆の強い

想いに背中を押され、工事再開にまで漕ぎ着け

ました。しかし、残されていたのは1枚のスケッ

チと僅かな実験模型のみ。コンピューターなど

無い時代の引き継ぎですからねぇ。後継者であっ

た建築家たちの気苦労はいかばかりであったかと。

素人目からみても、苦行であったことは明らか

ですよね 笑

しかし、これだけ長い工期の建造物だと、膨大で

あると予想される建築費用の資金繰りが気になり

ませんか。国や、教会が所在しているバルセロナ

市ではないのかと思われがちなのですが、実は

違います。サグラダ・ファミリアの正式名称は、

聖家族贖罪教会となるのですが、この贖罪教会と

いうのが宗教的な理念に基づく名称で、信者の

寄付金だけで賄い竣工された教会にはこの名称

が与えられるようですね。神に赦しを請う立場

である人間は、金策にも励まねばならないと。

まあ、つまりはお布施のような考え方になるで

しょうか。それを贖罪と呼ぶのです。この戒律の

おかげで何度も資金難に陥り、工事が中断されて

きたのです。ところが、2005年。サグラダ・

ファミリアにとって大きな変化が訪れました。

ガヴディの作品群として、その一部がユネスコの

世界文化遺産に登録されたのです。サグラダ・

ファミリア全体ではないのが残念でしたが、

何せ未完ですからね。多くは求められません 笑

登録されたのは2箇所。生誕のファサード(暫定

的な正面玄関)と、地下礼拝堂です。

こちらが生誕のファサード。

そしてこちらが地下礼拝堂になります。

この登録により、サグラダ・ファミリアは世界随

一の観光地となったのです。サグラダ・ファミリ

アの拝観料が贖罪に値するのか甚だ疑問ではあり

ますが、財政状況はかなり安定しました。これ

より先。工事は急ピッチで進められていくこと

になります。

現在。サグラダ・ファミリアの主任彫刻家は日本

人の彫刻家。外尾悦郎氏が務めておられます。

上の画像は世界文化遺産にも登録されている

サグラダ・ファミリアの顔である生誕のファサー

ドの門扉になります。この美しい門扉をデザイン

、制作されたのが外尾悦郎氏。サグラダ・ファミ

リアには現在、建築家、彫刻家も含めて約200

名ほどが勤めておりますが、外尾さんはこの中で

一番の古株です。1978年。齢25でバルセ

ロナに渡り、それから45年間ガヴディの声を

聞き続けているのです。扱いとしては永遠の

契約社員とご自身がそう表現なさっています。

教会側が作品を気に入らなければ即解雇。結果が

全てというのはどの世界でも共通していますが、

あまりにも厳しい現実。外尾さんは仕事を請け

負うたびに、これが最後の仕事だと肝に銘じて

臨んでいたそうです。その極限の集中力が、数々

の奇跡を生み、研ぎ澄まされた作風を顕現なさっ

てこられたのでしょうね。私、外尾さんの講演会

の動画などいくつか拝見させて頂いておりますが、

朗らかでユーモアがあり、お人柄がよくわかりま

す。とても素敵な方ですよ。彫刻を石を掘ると

表現なさっていて、サグラダ・ファミリアには

自分探しで来てみたというようなニュアンスの

お話しをしていたのが印象的でした。そうです

よね。当時は25歳ですから。お年頃ですもの

ね 笑 それが一生物の仕事にめぐり逢えたわけ

ですから、まして今や世界的に権威のある立場に

おられる。月並みですが日本の誇りです 笑

こういった成功例に触れると、人生において

自分探しの旅は、けっして恥ずかしかったり

無駄なことではないのかもしれないと、そう思え

てきますよね。考えるよりまず動く。失敗しても、

その経験は青春の1ページとなり、後々いい酒

の肴となって返ってきます 笑

さて、今回は完成予定まであと3年と迫った

サグラダ・ファミリアの展覧会に足を運んだ

ことをきっかけに、簡単ではありますが、その

歴史を振り返ってみました。

「神はお急ぎでない」そう彼は言い残しましたが、

神とは人の心が創り出した偶像だと私は考えま

す。人の心が神ならば、もう少し急いでも構わ

ないとそう願っているはずです。終わらない、

急がないこともまた美徳であり、尊い。もはや

終わらせる意味さえあるのかどうか疑わしいの

ですが、率直に言わせてもらうと、早く見たい。

ただそれだけなのですよね 笑 完成した暁に

は私も現地に赴く所存です。その場合、一週間

ほどお暇を頂きたく存じます 笑

では、また、、

こちらは地下礼拝堂の脇にひっそりと佇む

ガヴディの墓です。いつものように仕事が終わり、

サグラダ・ファミリアからミサに向かう途中、

縁石につまづいて転んでしまい、運悪くそのまま

偶然通り掛かった路面電車に轢かれてしまった

ガヴディ。発見時。身なりがあまりに酷かったた

め、ガヴディであると気が付かれず、3日間

放置された挙句、帰らぬ人となりました。何とも

形容し難い死に様ですが、時間が経ち。今では

こうして工事の進捗状況を静かに見守っています。