日別アーカイブ: 2017年7月5日

モヒート。

皆さんこんにちは、シエールの岡本です。ジメジメした日が続きますが、

いかがお過ごしでしょうか。今回は夏目前とうことで、もはや夏の定番カクテル

となったモヒートについてお話をしたいと思います。

モヒートとは、キューバのハバナ発祥の、ラム、ミントの葉、砂糖、ライム

果汁を使ったカクテルです。今でこそ夏の定番になっていますが、私が駆け出し

の頃は同じミントの葉を使うカクテルとしてはミントジュレップのほうが断然

知名度が高く、お客様に注文を受ける頻度も圧倒的な差がありました。ですが

時代の流れとメーカー側の斡旋で今ではご周知のとおり、夏の定番カクテルにまで

その知名度を上げました。このカクテル。店やバーテンダーによって個性がかなり

顕れます。使うミントの葉の種類、ベースになるラムのタイプ。ミントの葉の

潰し方からソーダやトニックウォーターの有無。まあ、様々ではありますが、

美味ければ良いのです。自分に合ったモヒートを見つけましょう。ちなみに当店で

扱うミントの葉はスペアミントです。ミントの葉は他にペパーミントや

アップルミントなどがありますが、個性が強すぎるのでカクテルとしての

バランスが悪く、ベースや他の副材料の存在が希薄になるのであまり使いません。

砂糖は混ざりやすさを優先させてサトウキビのシロップで代用します。

ラムのタイプはゴールド。ラムの爽やかさと深みを兼ね備えたこのタイプが

モヒートにはベストです。続いてミントの葉の潰し方ですが、あまり強く

潰しすぎると香りが飛んでしまうので、繊維を少し破壊する程度にほどよく、

というのが一般論です。ですが、当店ではゴリゴリに潰してしまいます(笑)

潰した上に更に茶こしでこします。そしてモヒート液(勝手にそう呼んでます)

を作り、ラムを注いで軽くステアし、クラッシュドアイスを詰めます。

これはもう優先順位ですよね。ミントの葉を軽く潰せば香りはほどよく立つの

かもしれませんが、味わいに反映されません。香りは最後に飾るミントの葉で

充分なのです。もちろんモヒート液にも香りは充分にあります。かの文豪、

ヘミングウェイは乳鉢でゴリゴリに潰したミントの葉のモヒートを好んだとか。

これには激しく共感いたします。ミントの成分は香りだけではないのです。

そう、そして近年はソーダやトニックウォーターで満たすレシピが数多く

存在します。これは飲みやすいロングカクテルという体での売り方なのでしょう。

確かに女性やアルコールがあまり強くない方が口にするには少し強いカクテルなの

かもしれません。ただ、モヒートにはクラッシュドアイスを使います。俗にいう

ミストスタイルというものです。これは冷却力は強いものの、氷の溶ける速さが

かち割氷に比べて数倍速いです。溶けるということは薄まるということです。

ミストスタイルはロックスタイルと比べ、アルコール成分の強いものを、より

冷やし、より飲みやすくするための飲み方です。モヒートは酒精がやや強めの

カクテルになりますが、ミストスタイルにすることによってかなり飲みやすく

なっているのです。そこにソーダやトニックウォーターなどの副材料を用いて

しまうということは、氷が溶ける速さを更に加速させ、アルコールだけではなく、

味わいまでも薄まってしまい、もちろん、香りも減少します。ただ、劇的に

飲みやすくはなりますけどね。なるべく、副材料で割らないモヒートを

楽しんでいただきたいと思います。

最後になりますが、カクテルのレシピにモラルはあってもルールは存在しません。

ご自分に合ったカクテル。ご自分に合ったモヒートを探してください。

個性と理性のバランスが大事ですね。それと、当店にはシガー(葉巻)も用意して

おります。モヒートとの相性はかなり良好です。併せてお楽しみください。

では、また・・

 

追記:

飲みやすいモヒートをご所望の方はこちらも推奨いたします。

モヒートをスムージーにした、フローズンモヒート。

季節のフルーツを使っても楽しめます。バーテンダーに

お申し付けください。