月別アーカイブ: 2022年4月

G W の営業。2022。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今年ももう5月ですか。早すぎますね。

さて、今年のゴールデンウィークの営業ですが、

定休日である日曜日以外は通常通りの営業になり

ます。長引くコロナ禍の中で、何の規制もない

ゴールデンウィークは久々ですね。感染対策を

忘れずに楽しんでまいりましょう。

では、また、、

営業時間の変更。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

温度差が激しい日々が続いて体がまいってしまい

ますね。これも温暖化の影響でしょうか。このまま

日本から四季が消えてしまいそうで、何だか

切ないですね。皆さんも体調にはくれぐれもお気を

つけください。

さて、コロナの感染者数も少し減ってまいりました

ので、営業時間を再度調整させて頂きます。

4月22日(金曜日)より、新しい営業時間は、

18時〜2時となります。現状から1時間延長と

なりますね。よろしくお願い致します。

さて、最後にここ最近入荷したウイスキーたちを

簡単にご紹介させて頂きます。

向かって左から、

ウイスキーミュウ「ロンドン ナショナル・
ギャラリー」 フェルメール『ヴァージナルの
前に座る若い女性』ラベル グレンマレイ2007
13年 60.5%。

こちらはフェルメールの絵画がラベリングされた

グレンマレイですね。まるでバニラのような

旨味があるスペイサイドのモルトウイスキーです。

その飲みやすさから高アルコール度数を感じさせ

ません。ちなみに、フェルメールのこの作品。

私はまだ直に観ていません。まさかモルト

ウイスキーが初見とは、、複雑です 笑

続いて中央のボトルは、

キルホーマン・サナイグ。

2005年にオープンしたキルホーマン蒸留所の

新作です。バーボン樽30%、オロロソシェリー

樽が70%の割合で熟成させたキルホーマンです。

熟成樽にオロロソシェリーの樽が使われている

ので、コクの強いアイラモルトになります。

シェリー樽のアイラモルトといえばラガヴーリン

が有名なので、お好きな方は、こちらも是非。

香りの数値であるフェノール値は50ppmとなる

ので、ラフロイグより少し強いくらいですかね。

美味いですよ。

そして右のボトルが、久しぶりの入荷となった

イーグルレア10年。

こちらはバーボンウイスキーですね。原酒は

バッファロートレースになります。イーグルレア

はとにかく飲みやすさが目立ちます。フォアローゼ

ズのプラチナなどに似ているでしょうか。お好き

な方は、こちらも是非お試しください。

以上、営業時間の変更と、ウイスキー各種の

紹介でした。では、また、、

桜と藪そば。まあ、それとフェルメール展。

皆さんこんにちは。バーシエールの岡本です。

休業明けで心身共に鈍っていたのですが、街に

溢れる人の数と同様に、復調してきたところです。

さて、タイトルにもある通り、今回は花見がてら

に終わり間際のフェルメール展と上野藪そばを

楽しんで参りましたので、その模様を少しだけ

お話ししたいと思います。

この日までは七分咲といったところでしょうか。

しかし前日の強風や雨を考えると、充分ではないか

と思います。しっかり春の雰囲気を味わえましたし

、この日私は若干前日の酒が残っておりましたので

、あまり満開然とされていても目に眩しいだけで

受け止めきれなかったように思うのです。コンビニ

で缶ビールを買うか迷いましたが、このしっとりと

した花見を堪能すべく、アルコールは控えたいと

桜並木を粛々と進み、大噴水の広場へ辿り着くと

、、

泡ばかりで少なかったので二杯頂きました。

しばらく広場周りの桜を摘みにうろちょろします。

早めに来て良かった 笑

さて、いちおう本番です。今回のフェルメール展は

コロナ禍による延長を経て、2月10日から公開

されていましたが、私も休業などがありましたので

ぎりぎりの来訪となりました。まあ、それと、

今回の目玉である、《窓辺で手紙を読む女》は、

2005年に国立西洋美術館で開催された、

ドレスデン展(この頃まではフェルメールという

ワードはタイトルにはありませんでした)の目玉

として来日しており、私はここで一度観ているので

、腰が重くなったということもありました。そして

更に、今回の美術展には、西洋美術だけではなく、

世界の美術界に於いて、とんでもない事件が発生

したのです。

まあ、端的に申し上げますと、

こちらが、

こちらになりました。なったというより、元に

戻された訳ですが、細かい事は抜きにして、

皆さん、普通に考えてどちらが絵画として良作だ

と思われますかね。まあ、これは間髪入れずに答え

は前者です。完全に決めつけですけどね 笑

このキューピッドには当然、この時代の絵画特有の

〝寓意〟が込められておりまして、仮面を踏みつけ

た矢を持ったキューピッドは〝欺瞞〟を意味します

ので、まあ、あれです。モデルの女性はその表情や

作品の雰囲気からして、恋人からの手紙を読んで

いますと。だがしかし、このキューピッドが意味す

るものは欺瞞。これ即ち、騙されるなと。真実の愛

を見つけなさいと。そういう解釈らしいのです。

確かに、キューピッドが無かった頃のこの作品の

解釈はぼんやりとしたものでした。あくまでも憶測

としてですが、恋人からの手紙を送り主の住まう

方角の窓をわざわざ開け放って、手紙を読むという

作業を儀式めいた描写に仕立てている。そんな風だ

ったと記憶しています。うん。いや、、それで良く

ないか? 笑 手紙がコミュニケーションツールの

最前線だった当時。恋人からの手紙を後生大事に

抱え、自分の用意したベストなロケーションで

拝読する。昭和生まれの皆さん。携帯電話が

無かった頃を思い出してください。恋人からの

電話がある時は、10分前から固定電話の前に

しがみついていませんでしたか? あの感覚です

よ。まあ、親にバレないようにワンコール以内に

受話器を取りたかっただけというのもあります

けれど。とにかく、特別な時間なのです。その

尊い時間にわざわざ水を差さなくても良いのでは

ないでしょうか。だからこそ、このキューピッドを

塗りつぶした人物も、作品の中心部を消し去ると

いう蛮行に至ったのではないでしょうか。そう。

この事件の肝はここです。このキューピッドを

消したのは、フェルメール本人ではなく、別の人物

らしいのです。どうやらその人物の特定は未だ

出来ていないらしいのですが、フェルメール

没後に消されたのは確実で、このあたりが、作品が

所蔵されているドレスデン美術館。延いては勤勉な

ドイツの美術業界の原則に反しているようです。

まあ、これは当然といえば当然ではあるのですが。

作品は作者が完成させた状態へと戻さなくては

ならない。これが原則ということで。本人が

描き直したり修復したのであれば、これは修復後が

完成であるのですが、この作品の場合、塗り潰され

た時期が作者の没後なので、完全に本人の意思では

ありません。とは言ってもねぇ、、フェルメール

の風俗画はやはり寓意よりも、静謐さなのですよ。

時間が止まっているかのような空間作り。それには

作品の中に、何もないエリアが必須なのです。まあ

フェルメールもまた、本人の意図とは違う形で脚光

を浴びた画家の一人ではあると思うので、とどの

つまり、何が正解なのかは観る人の好みになって

しまうのですけどね。私を含め、日本でこれだけ

フェルメールが注目を浴びたのは、まずはじめに

佳作の画家であったこと。モデルがほぼ女性で

あったこと。そして極め付けは、日本独自の

美意識である、侘び寂びなのだと私は思います。

そこに梯子を外すかのように違う解釈の寓意を

今更持ってこられても、はいそうですかと納得は

出来ないですよね。この作品の場合、二百年も

以前の状態であったのだから。

そして今、注目されているのがこちらの作品。

有名な作品ですね。こちらもまた、フェルメールの

風俗画。《牛乳を注ぐ女》です。私も何度か展覧会

に足を運びました。こちらの作品にも塗り潰しが

確認されております。この作品の場合、給仕の

ちょうど真後ろの壁面に地図が描かれているそう

です。はてさて、こちらはアムステルダム国立美術

館の所蔵となるので、フェルメールの故郷でもある

オランダの管轄になりますね。オランダはフェルメ

ールの他に、レンブラントやゴッホなど、ビッグ

ネームの画家を輩出している芸術大国の一つです。

ドイツはやってしまいましたが、オランダはどうす

るのでしょうね。炎上か安定か。西洋絵画の世界

に於いて、オランダの動向はかなりの影響が出るで

しょうからね。良くも悪くも、西洋絵画に対する

人々の意識が変わってしまうかもしれません。

まあ、もっとも、フェルメールの人気があるのは

日本くらいなのかもしれませんけどね。いずれに

しても、長い目で見守っていきたいと思います。

ところで、今回の美術展を置き去りに話を進めて

しまいましたが、今回のドレスデンについて少し

触れますと。んー、、2005年のドレスデンは

月をテーマに作品が集められた事もあり、絵画に

関しては私好みのラインナップでしたから、

個人的には前回のドレスデンに軍配が上がります

かね。特にこちらの作品は強く印象に残りました。

ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダールの

満月のドレスデン。芸術の都ドレスデンをエルベ

河畔側から描いた夜景画です。ドレスデンは居城を

中心に構成された都ですから、異国情緒満載です。

どうですか、この、眷属の棲家のような佇まい 笑

ドレスデンのシルエットも良いのですが、朧月にし

てあるあたりが憎い演出ですね。他にも中世の武器

や防具に、陶器や調度品と絵画以外の作品も沢山

展示されていたので、結構なボリュームでかなり

楽しめました。まあ、全体的に前回の展覧会と比べ

ると、今回は見劣りしますかねぇ、、フェルメール

も含めて残念です。次回に期待。

さて、美術館を後にして、今回は上野藪そばを

目指します。こちらは不忍池の周辺ですが、出店も

あって大賑わいでした。絵的には桜の色味がもう

少し欲しいですね。

やって参りました。上野藪そばです。この日は休日

ということもあって、街が人でごった返しておりま

したので、当然、飲食店も混み合っています。

この入り口の最前列にたどり着くまで30分は

掛かりました。脚が棒のように、、

と、ここで藪そばについて少し触れておきます。

まず、上野で藪そばといえば、やはり池之端が

頭に浮かびますよね。日本三大そばの一つである

藪そば。その御三家で、神田、並木に続いて名を

連ねたのは上野の池之端でした。ですが、池之端店

は2016年に閉店いたしまして、それからという

もの。上野での蕎麦シーンに大きく穴が開いて

しまっていたのですが、上野藪そばの存在を知って

からはこちらに病みつきです 笑

まあ、とりあえず仕切り直しで生ビールを。

突き出しの焼き味噌が嬉しいですね。

蕎麦打ち場です。カウンターに隣接していて、

目の前で蕎麦を打ってくれます。御三家のように、

お運びさんの語尾を伸ばす独特な注文の通し方や

接客で風情を味わえるのも一興ですが、この

ようにわかりやすくアピールしてもらえるのも

また一興。どうしても何かと御三家と比べて

しまいがちですが、歴史でいえばこちらも相当な

長さを誇っています。神田藪そばの暖簾分け第一

号店と聞くことはありますが、全く関係ないという

方もおられます。正直、このあたりの問題は

きな臭いし、一顧客としてはどうでもいい問題な

のですけど、伝統の味を守り抜いて、130余年の

歳月を同地で商われております。

鴨のあいやきが到着。付け合わせのネギも含めて

塩胡椒のさじ加減、焼き加減共に素晴らしく、

お酒をみぞれ酒にしてもらったのですが、この日の

蒸し暑い天候と相まって、ベストマリアージュと

なりました。合わせて四合頂きましたが、過不足

なく、美味しく頂きました。並んで良かった、、

お酒に岩塩を添えてくれるのはありがたいですね。

合鴨に振り足したり、画像ではちょっと上手く盛れ

ていませんが、私の畑に例えますと、テキーラを

生で頂く要領で、みぞれ酒を煽りました。

この日のラストが見えてきました。〆にせいろうの

大盛りを頂きました。コロナ禍で久方ぶりの藪そば

を目の前にして、今はなき、池之端の蕎麦を思い

出します。最後に食したのはいつだったか。その日

も美術展の帰りでした。今だから口に出せますが、

末期の池之端はちょっと厳しいと思いました。

理由はどうあれ、どれだけ長く続けても、ボタンを

一つ掛け違えるとみるみるうちに瓦解する。

私も長く続ける飲食店のはしくれ。改めて身に

積まされる思いです。良い思い出は沢山あるのです

けどね。ある日足を向けてみれば、固く閉ざされた

シャッターに張り紙。閉店の文言を前に立ち尽くし

ました。何とも形容し難い感情でしたが、まあ、

こうして時間は経ち、今でも上野で藪そばを

頂いています。まるで醤油のようにしょっぱい

そばつゆは相変わらずで、蕎麦を少しずつ浸して

食します。無心で食べ続け、仕上げにわさびの

利いたそば湯をしみじみと飲み干します。満足。

来て良かった。ご馳走様でした 笑

さて、結局長くなりましたが、今回はここまでと

させて頂きます。今週末は当店も21周年を迎え

ます。まあ、フェルメールや老舗の蕎麦屋と比べ

れば、ほんの一瞬ですけれども 笑

皆様、今後ともよろしくお願い致します。

では、また、、