月別アーカイブ: 2022年5月

ここ最近の入荷。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

暑いですねぇ、、これから梅雨に入るかと思うと

憂鬱になりますけれど、多少涼しくなると思えば

詮無い事。などと、毎年同じことを言っております

が、新入荷のお知らせです。

ブラックアダー社のピートリークというアイラ島の

モルトウイスキーです。スパイシーでパワフルな

スモーキーフレーバーを持ちながらも、味わいは

マイルドに上品で、ゆっくりと鼻腔を抜けて

ゆきます。アルコール度数は46度と最近の流れと

しては低めなので、とても穏やかに愉しむアイラ

モルトになっております。旨味が後引きますよ。

美味しいです。

続いてこちらはラム酒。マルティニーク島の

トロワ・リヴィエールがお手頃なV S O Pとなって

還帰ってきました。スパイシーでエレガント。

手作り感のあるナチュラルな甘味はやはり、

アグリコール製法の賜ですね。是非お試しくださ

い。アグリコール製法についてはコチラをどうぞ。

 

以上、新入荷のお知らせでした。では、また、、

空也上人(くうやしょうにん)とコロナ。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

雨の日が続きますね。このまま梅雨入りでしょう

か。さて、今回は先日、ある展覧会にお邪魔して

参りましたので、再び上野からのスタートになり

ます。この日もやはり、前日の酒が残っており

まして、今日こそはアルコールを控えようと

上野駅の公園口を出て、ひとまずコーヒーを

求めて、颯爽と駅前のカフェへと体を滑らせた

ところ、、

頂きます 笑

というわけで到着です。今回は、3月1日から

5月8日まで上野の東京国立博物館で開催された、

空也上人と六波羅蜜寺という展覧会にお邪魔して

参りましたので、その様子を少しお話しさせて

頂きます。

さて、まずはじめに、そもそも空也上人とは

いったい何者? という方の為にも少し触れて

おきますね。空也上人とは、平安時代中期に実在

した僧侶で、日本に於いて浄土教で称名念仏

(しょうみょうねんぶつ)を広めた先駆者なの

です。まあ、簡単に言ってしまえば、日本で初めて

南無阿弥陀仏を流行らせた偉人です。出家してから

は南無阿弥陀仏を説いて諸国を巡り、道路や橋梁。

寺院など。仏道を通じて多くの社会事業に貢献。

天暦5年(西暦951年)頃、京都で流行病が蔓延した

際に、一日も早い収束を祈願して造られたのが

現在国宝とされている、祈り十一面観音菩薩立像と

西光寺(現在の六波羅蜜寺)になります。今回、

約半世紀ぶりに東京に御目見したこの木造立像は、

空也上人の没後約250年ほど経ってから造られた

と伝えられています。疫病の収束を願って止まなか

った空也上人の強い思いが、1000年の時を超え

、現代にはびこるコロナという災厄を祓ってくれる

と信じて、この度はご拝謁を賜りました。

空也上人木造立像といえば、やはりこの独特の

フォルムですね。まったくをもって不謹慎なの

ですが、正直初見では、、

こちら、ですとか、、(はじめ人間ギャートルズ)

こちらなどが頭に浮かびました 笑 (Dr.スタン

プアラレちゃんより。んちゃ砲)

実はこの突起物には当然、大変な意味がござい

まして、、

わかりにくいのですが、空也上人の口から飛び出し

ているこの突起物。よく見れば六体の仏様なので

す。それぞれに、南、無、阿、弥、陀、仏を意味

する仏様らしく、これは、南無阿弥陀仏を説いて

諸国を巡ってきた空也上人のイメージそのもの

なのです。短身痩躯でありながらも筋肉質であるこ

とから、相当な距離を練り歩いたのでしょうね。

まさに身を削って仏道を邁進された空也上人。

口からは一意専心に南無阿弥陀仏の言霊を発現

させ、人々の安寧を願います。

上から、地蔵菩薩立像、薬師如来坐像、閻魔坐像

など、空也上人木造立像の他にも数点、六波羅蜜寺

所蔵の重要文化財がずらりと並んで威光を放って

おりました。その姿はいずれも仏の名に相応しく、

荘厳で、霊験あらたかに見るものを六道輪廻へと

導きます。特に薬師如来坐像は医薬の仏になります

から念入りに拝みます 笑 手のひらに薬壺を

載せているのが特徴ですね。

さて、あいにくの空模様ではありましたが、館内を

隈なく廻り、充分愉しみましたのでそろそろ

お暇致します。久方ぶりの来訪となった東京国立

博物館でしたが、絢爛豪華。何とも瀟洒な

佇まいです。こちらの博物館は日本最古の博物館

で、1872年に創設されております。明治5年で

すからね。何度も修復されてきたのでしょうけど、

外観だけではなく、敷地内や屋内でも、随所に時代

を感じさせられます。

転合庵という、敷地内にある茶室です。雨脚が

強すぎて上手く撮れなかったので画像をお借り

しました。桜の季節も良いですね。

昭和の風物詩の一つである黒電話。館内の内線に

使われています。

正面玄関を入ってすぐの大階段ですね。昇り降り

するだけで高揚するこちらの階段。凡庸な私の

頭では、もはやドラマ半沢直樹の東京中央銀行

くらいしか想像出来ませんね。申し訳ないDeath。

さて、今回も薮そばで一杯やってから帰ります。

この日は5月とは思えない寒さで体が冷えましたの

で、燗をつけてもらいました。

いつも通りせいろ蕎麦で締めます。ご馳走様でし

た。そば湯を啜りながら展覧会を振り返ります。

正直私、神仏に傾倒するタイプではございません。

アートとしては非常に興味があるのですが、その

程度ですかねぇ。今回訪れたのは、人間、最後は

神頼みと云いますでしょう。コロナがこのまま

収束し、何事もなかったように遠い日の災厄と

なり、世の中がコロナ前に戻るとは私には到底

思えないのです。ですがもはや、制限下での生活

を強いられることはないでしょう。取りも直さず

これは、支援もないということに繋がります。

ここからがコロナ禍で生き残った飲食店の本番

です。この日空也上人を詣でたことで、そう簡単に

状況が好転するとも思えませんけれども。柄にも

無く験を担いたところまでは良かったのですが、

例の如く、このあと数軒梯子をしまして、敬虔な

祈りは遥か忘却の彼方へ。嗚呼、、ご利益が消えて

ゆく、、笑

では、また、、

金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅です。孔雀王を思い

出しますね 笑