月別アーカイブ: 2023年2月

ポートワインを見つめ直す。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

暖かいのはありがたいのですが、三寒四温の

時期は花粉も重なって過ごしにくかったりし

ます。辛いですよねぇ、、。

さておき。今回はタイトルにもある通り。ポート

ワインという酒について少しお話しします。

ます始めにポートワインとは、ポルトガル北部

ドウロ地方で醸造されている酒精強化ワインで、

スペインのアンダルシア地方で造られている

シェリー酒や、同国ポルトガル領マデイラ島の

マデイラワインと並ぶ、世界三大酒精強化ワイン

の一つです。酒精強化ワインとは、ワインの発酵

を糖分が残っている状態でブランデーなど、蒸留

酒を加えることで止めて、ブドウの果実味をその

まま活かしたワインになります。糖分を多分に

残したまま熟成されますので、一部を除いて、

その多くは甘口のワインに仕上がります。ポート

ワインには、ホワイトとルビーが存在し、ホワ

イトポートは酸味が強く、食前酒として飲まれる

ことが多いのに対し、ルビーは甘口で、食後酒と

してチョコレートや葉巻などと合わせて楽しむ

ワインです。ポートワインは生産、販売共にルビ

ーが主体になりますので、ここではルビーについ

てのみ記述しますね。

ルビーには幾つかの種類があります。こちらは

ルビータイプと呼ばれる基本的、且つ、初歩的

なタイプのポートワインです。ルビータイプは

通常のワイン同様、短期間の樽熟成を経て世に

出ます。安価な上に、フレッシュなブドウの果実

味を手軽に味わうことができる反面、長期熟成

のものと比べ、酸化に弱いのがたまにきず

でしょうか。20世紀初頭に赤玉ポートワイン

という酒が日本でも流行しました。

現在でほ赤玉スイートワインと名前を変えて販売

されておりますが、ルビータイプはこれに似て

ますね。非常に甘いので、オンザロックで飲むの

もありだと私は思います。

こちらはヴィンテージポートですね。その名の

通り。瓶詰めされた西暦がヴィンテージ表記され

ております。これに因んで、ポートワインの主な

輸出先であるイギリスでは、誕生日に合わせた

ヴィンテージのポートワインを贈る風習があるの

だとか。まあ、それはさておき。ヴィンテージ

ポートとは、ルビータイプの上位互換のような

ものです。長期熟成のルビータイプなのです。

より洗練されたルビータイプということですね。

ヴィンテージポートは、人一人の人生ほど熟成

することが可能なのだとか。不思議なのは、

それほどの長期熟成でも、比較的安価であると

いうこと。通常のワインやウイスキー、ブラン

デーなどに置き換えて考えると大変なことに 笑

甘口だからといって馬鹿に出来ない深い味わい

ですよ。是非お試しを。

そしてこちらはトゥニータイプのポートワイン。

長期の樽熟成という点ではヴィンテージポート

と変わらないのですが、トゥニーは長期の酸化

熟成なので、酸味が少し加わることで甘さが

くどくなく、飽きがきません。その上、飲み頃

を迎えてから瓶詰めされるので、ワイン類特有の

澱引きが必要ありません。飲み頃を既に迎えて

いるわけですから、瓶熟成が要らないのです。

澱引きしてから出荷になりますから、あとは

頂くだけの優れものですね。私はポートワインの

中では一番多く頂いていると思います。どのメー

カーさんでもある程度美味しく頂ける安定感も

ありますね。甘さ加減がちょうどいい 笑

さて、ポートワインをいくつか紹介しましたが、

気になる銘柄はあったでしょうか。バーでの

運用と致しましては、葉巻やチョコレートと

合わせる場合、ウイスキーやブランデー、ラム酒

などが候補に上がるかと思いますが、高めのアル

コール度数が気になってソーダや水で割って

しまうようなら、ポートワインをお試しになって

みると良いですね。酒精強化ワインといっても

アルコール度数は18度程度ですから。ヴァリ

エーションに加えてみるのも一興です。きっと

満足頂けますよ。お試しください。

では、また、、

ここ最近の新入荷? 再入荷?

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今回はいくつか入荷のお知らせです。

こちらはシングルモルトウイスキー。クラクスト

ンズ社のカリラ8年です。以前、同社同銘柄の

6年を入荷した経緯があるのですが、非常に

評判が良かったこともあり、何より私がもう一度

飲みたかっため、再入荷です。まあ、以前は6

年物でしたから新入荷になりますか。ノンチル、

ノンカラー、カスクストレングスの生アイラ。

アルコール度数は59.2度。バーボン樽での

8年熟成となっております。熟成年数以外は

以前入荷したカリラとそれほど変わりませんが

、余韻の種類が少し違いますね。以前の若さに

任せた突き抜けるような余韻は本銘柄にはなく、

滑らかに広がってゆく、より洗練された余韻を

味わうことが出来ます。以前のカリラを経験なさ

った方も、そうでない方も是非お試しください。

美味しいですよ。探した甲斐がありました。

元々、ダニエル・クレイグ版007のカジノロ

ワイヤルに登場したというだけで扱っていた

マウントゲイですが、今では独り立ちをしてして、

美味いラム酒ラインナップの一翼を担っており

ます。当店では、お手頃な価格とそのバランスの

取れた味わいから、グレードはXOと決めている

のですが、いつのまにかトリプルカスクのみの

リリースになっておりました。アメリカンオーク

、バーボン樽、コニャック樽とまあ、こちらは

こちらで味わい深く。楽しめそうですね。

再入荷のようで新入荷です 笑

今回はどちらも再入荷のようで新入荷ですね 笑

是非お試しください。では、また、、

久々のグラス修理@浅草

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

二月に入ってからは快晴が続いて気温も上がり、

比較的過ごしやすいですね。今回はグラス修理

も兼ねて、グラスや備品を補充しに浅草のグラス

工房創吉さんにお邪魔しましたので、その様子を

少しお話します。

数年前に当ブログでも取り上げましたが、それ

以来、久しぶりの来店となりました。創吉さんは

通信販売もなさっているので、普段はそちらから

購入するのですが、用事が増えるとお邪魔する

流れになっております。しかし、この店はいつ

お邪魔しても緊張感があります。狭い店内の至る

所にガラス製品が置かれているので、いつまで

経っても緊張の糸が解れません 笑 小さな

お子様連れの方や、リュックサックを背負った

ままの方も散見出来ますが、気が知れませんね

笑 会話も憚られる、といった空気感ですから

笑 北海道小樽の硝子館を彷彿とさせます 笑

破損したグラスを修理に出して多少の世間話。

買い物を済ませたらそそくさと店を後にします。

酔って入ってはいけないお店ナンバーワンです 笑

そして緊張感が解れると途端に腹の虫が騒ぎ出し

ます 笑

今回訪れたのは、観光地としても名高い老舗の

洋食屋ヨシカミさん。休日ということもあり、

やはり混雑しており、30分待ちでしたが、

案ずることなかれ、時間を指定されて呼び出し

てくれるそうで、迷わず近隣の大衆酒場へと

駆け込みました 笑

前菜の帆立のカルパッチョと共にビールを煽り、

待ちに待ったビーフシチュー。赤ワインが進む

取り合わせですが、残念ながら冷えた赤ワイン

しか用意がなく、渋々ハーフボトルを注文します。

文句言いながらあっという間になくなりましたが

ね 笑 ビーフシチューは名物だけあって流石に

美味しいですね。深いデミソースにほろほろの

お肉。それだけではなく、ガロニ(付け合わせ)

の存在が光っていました。甘く煮たインゲン、

ニンジン、マッシュルームにお手製のフライド

ポテトと満足はしましたが、観光地特有のお高め

のお値段が少し気になりますかね 笑

迷いましたが、やはり注文してしまったオム

ライス。この日はカウンターの端に通されまし

たが、オープンキッチンの洋食屋でオムライスの

メイキングを見せるのは反則です 笑 私の滞在

時間だけで、7、8回は特大のフライパンでチキ

ンライスをひっくり返しておりました。ツートッ

プの焼き場の片翼はひたすらナポリタンを振り

続けている状況。もちろん交代制なのでしょうが、

一体、一日何回振るのでしょうか 笑 私も職業

柄シェイカーを振り続ける日はありますが、腱鞘

炎や肘の具合がとても気になってしまいました

笑 オムレツなどは私も作りますが、フライパン

のトントンの所作はプロもアマチュアもやはり

可愛らしいですね 笑 ほっこりします 笑

このあと、メンチカツを単品で注文し、脂ぎった

口内をジンリッキーでゆすいでおいとましまし

た。満腹過ぎて最後にうまく笑えていたかわか

りませんが、手厚く見送って頂き気分が良くなっ

てしまった私は、いつも通り、とっぷりと暮れた

夜の街へと消えてゆき、その日一日を台無しに

したのでした 笑

画像は雪国というカクテル。日本を代表する

カクテルです。新調したグラスに何を最初に注ぐ

か迷いましたが、真冬にぴったりなカクテル

ですね。こちらも以前、当ブログで取り上げまし

たが、創作したのは井山計一さん。山形県酒田市

のバーケルンのバーテンダーです。2021年

5月にお亡くなりになりました。享年95歳。

生涯をバーテンダーに捧げたわたくし共の大先輩

です。かなり遅くなってしまいましたが、追悼の

意を込めて献杯とさせて頂きました。皆さんも

是非、真冬の定番としてお試しください。

では、また、、

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創吉

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