月別アーカイブ: 2025年2月

祝50周年わたせせいぞう展。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

さて、今回は当ブログでも一度取り上げた

ことのある『ハートカクテル』の原作者。

わたせせいぞうさんの50周年記念わたせ

せいぞう展に先日お邪魔してまいりました

ので、その様子をお話しします。

池袋東武百貨店の8階。催事場の特設

ブースにて、2月6日からバレンタインデー

の前日13日まで開催しておりました。バレ

ンタインのチョコレートイベントと隣接させ

てあるあたり。やはり誰もが認めるラブスト

ーリーのスペシャリスト。ただ、この二つの

ブースは年齢層の幅が一目瞭然でしたが 笑

わたせさんは小説家の村上春樹さんと同大学、

そしてほぼ同年代です。村上さんも変わりま

せんが、70代でバレンタインイベントとの

コラボレーションが出来るというのは、

側から見れば羨ましさ半分と、気恥ずか

しさ半分という印象です 笑 コロナ禍

を機に、わたせせいぞうチャンネルという

Youtube での配信が始まり、冒頭ご本人から

の挨拶と、その後は『ワンダーカクテル』と

いう配信番組がスタートしました。今回の

個展は代表作である『ハートカクテル』を

はじめ、東京の風景やさまざまな企業との

コラボレーション作品も取り揃えておりま

した。懐かしいものから目新しいものまで

、中々の見応えでした。

わたせさんといえば、スクーターは

お馴染みのヴェスピーノ(ヴェスパ)。

作中に多く登場するアイコニックな

存在としてしっかり置いてありました 笑

そして車はポルシェ356ですよね。

本物より美しい 笑 わたせさんが描く

主人公たちが乗ると更に引き立ちます。

どちらも基本、カラーはレッドですが、

ヴェスピーノは特にカラーが豊富ですから、

その都度作品の表情が変わるので楽しめます

。50周年のイラストはイエローですね。

パステルのイエローもまた捨て難いですね。

実は、『ハートカクテル』はいまだに

続いています。2024年には『ハート

カクテル カラフル』を出版。(アニメ

ーションは先行して23年にNHKで

放送)もちろんこれもオールカラーの

作品ですが、ほぼ半世紀の画業歴を経て

、まだ描くかと 笑 イラストではあり

ませんから、当然、物語も綴っています。

まだまだわたせせいぞうという泉は枯れ

ていないことは確認出来ました 笑

画像は50周年を記念して出版された

作品です。迷わず購入しました。

現代では特に、イラストレーターとしての

イメージが強いわたせさんですが、私はなん

と言っても『ハートカクテル』です。以前

にも語りましたが、この作品は日本テレビ

にて当時の日本たばこが提供していた短い

深夜枠。たばこ一本のストーリー。ハート

カクテル。というキャッチフレーズで、19

86年から88年まで放映(原作はモーニン

グにて1983年から90年まで連載)され

ていました。私は当時中学生でしたが、

たった10分足らずの短いストーリーを

鮮明に覚えていて、大人になり、原作者や

時代背景などを調べることになりました。

まあ、この作品もまた、バブルの賜物。

気障ったらしい台詞に洒落たファッション

や車。アニメーションというよりは、モダン

なイラストにアテレコしたアーティスティッ

クな作品。バブル臭気全開で当時からアンチ

も多かったと聞いています。でもそれは

この作品の表層的な部分であって、じっくり

と味わってみれば、人情味溢れるハートウォ

ーミングな物語が多く。ショートストーリー

ならではの、人に想像を促す純文学のような

余韻をもたらします。ただ、、基本的な問題

なのですけれど、原作の吹き出しが手書き

なのは新規のファンが入りにくい要因の

一つとなっています。しかしこれは今更で

はあるし、わたせさんのこだわりの一つです

ので、ここでぼやいても詮無き事。味わい

はあるのですけどねぇ、、まあ、読み辛い

『ハートカクテル』のアニメーション

といえば、音楽も捨て置けません。

松岡直也さんを中心に、島健さん。三枝

成彰さんなども参加しています。流麗な

ピアノの曲からポップでリズミカルな曲。

クラシックからジャズにビートルズ。果ては

ジャパニーズポップスまでと。幅広くBGM

として挿入されています。曲に関しては、今

現在80年代の作品を観ても、今現在20

20年代の作品を観ても、根底にあるものは

変わっていません。ベクトルというか、テイ

ストというか、変えずにいてくれています。

それはまあ、原作も同じですけれど。こう

いったブレない面があるのはファンとして

は嬉しいものですよね。

『ハートカクテル』には洋酒が多く登場しま

す。ビールはバドワイザー、レーベンブロイ。

スコッチウイスキーはカティサーク、ボウモ

ア。カクテルはスプリッツァ、ギムレットな

ど、覚えているのはこれくらいですか。他

にもたくさん登場しているはずです。これは

、時代背景もありますが、ご本人の

アイデンティティによるものが強いのでしょ

うね。ハードボイルドへの憧憬が自分には

あると、以前、何かのインタビューで話して

おられました。前述したYoutubeのわたせ

せいぞうチャンネルに『ワンダーカクテル』

という作品があります。全11話の中の7話

で、わかりやすくそのあたりが反映していま

すので、ご紹介。

この物語の最後に、ハードボイルド作家

レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッ

ドバイ』での名台詞。「ギムレットには

早すぎる」を意識した描写があります。

観ていただけるとわかりますが、7話の

物語は男女の別れがメインです。これと

『ロング・グッドバイ』での、マーロウ

とレノックスの別れを重ねたかたちに

なりますか。主人公が最後にギムレット

を注文するのですが、、

このように注釈が入ります。何かと比べて

しまいますが、このあたりが村上春樹(

敬愛しています)さんとは違います。あの方

の作品はお構い無しに突き進みますからね 笑

ただ、、長い別れ(ロング・グッドバイの

邦題)で有名というのは、野暮ったいと

いうか、他にやり方はなかったのでしょう

か。まあ、なかったのでしょうね 笑

主人公がギムレットを注文したくらいでは、

チャンドラーを意識したことが伝わらない

ので、ショートストーリーでまとめるには

最善だったのでしょうけれど、何か他に、

と、つい考え込んでしまう作品でもあります

笑 この物語には、ボウモアやギムレッ

トが登場しますので、とても気に入っている

作品の一つです。良かったらご覧になって

ください。タイトルは、『暖炉の女神』に

なります。

さて、長くなりましたが、今回はわたせ

せいぞう展での様子と、一部だけではあり

ますが、作品の紹介をさせていただきまし

た。画業50周年ということですが、まだ

まだ楽しませていただいております。

また個展があれば、可能な限りお邪魔した

いと思います。今回はこの辺で。

では、また、、

今週末の3連休。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今週末の3連休の、2月23日(日曜日)は

19時〜2時まで営業致します。代休としま

して、2月24日(月曜日)はお休みとさせて

いただきますので、ご留意くださいませ。

では、また、、

古代エジプト展。2025。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今回は、ただいま絶賛公開中の古代エジプト

展へ行って参りましたので、その様子を少し

お話しします。

開催地は六本木ヒルズ。森アーツセンター

ギャラリーの52階。ブルックリン博物館

の展覧会になります。

エジプト展。実は私、エジプト展と名がつく

展覧会は初でして、昔からミイラやピラミッド

には興味があり、テレビやYoutubeなどで

目につけば観漁っておりました。エジプト

といえば吉村作治さんが有名ですよね。

ギザ台地の研究に没頭すること約半世紀。

たくさんの浪漫を届けてもらいました。

そんな吉村さんも御年82歳。さすがに

寄る年波。そしてここ数年。Youtubeを

中心に活躍されているのが、河江肖剰(

よしのり)さん。

名古屋大学、カイロ・アメリカン大学で

考古学の研鑽を積み、様々な経歴を経て、

現在では、名古屋大学デジタル人文社会

科学研究推進センターの教授に昇任。52歳

のナイスミドルです。そして今回の展覧会を

案内人として盛り上げてくれています。

展覧会のタイトルである、古代エジプトとい

う文言も、ご自身で運営なさっている

Youtube チャンネルからなのでしょうね。

展示物で多かったのは、なんと言っても

レリーフ。古代エジプトでは沈み彫りと

いう技法が多用されていたようで、意匠を

凝らした見事な出来栄えと、要所要所に

合わせた音声ガイドが小気味よく流れて

楽しめたのですが、どこを見てもレリーフ

でしたので、若干食傷気味に 笑 またか

みたいな 笑

とにかくレリーフだらけでしたので、

撮影OKの展覧会ということも手伝い、

いつでも撮れるという油断からか、

振り返ってみれば、レリーフの画像か

一つもありませんでした 笑

ちなみに、沈み彫りのレリーフとは

こういった物です。

この石板にストーリーがふんだんに

盛り込まれています。歴史に大きく関わる

レリーフの場合には、音声ガイドが緩やかに

流れます。

こちらの画像はギザの大ピラミッドの創造主

と云われるクフ王の首像。この辺りから内容

がピラミッドへと移っていきます。

イベント用の撮影場所です。一瞬の間隙

を縫って無人の状態を画像に収めました。

入場制限はしてあるものの、混雑して

いましたからね。スフィンクスの頭部に

手を載せて撮るのが正解のようでした。

ピラミッドについても河江さんは項目

ごとに設置されたモニターから、動画

で語っています。まあ、私はYoutubeで散々

拝見しておりますから、今更でしたが、

不案内な人間にもわかりやすく、興味を

駆り立てる内容に仕上がっています。と

いうのも、河江さんの容姿がしっかりして

いるので、俳優さん並みのプレゼンテーション

能力があります。興味を持ってもらう上で

とても大事な部分だと思います。

ピラミッドは石段が1メートルから1.5

メートルと、登ろうと思えば登れる高さ。

しかし、1983年から、エジプト政府

により登頂は禁止とされています。これ

はテレビなどのメディアも含めた上での

戒律でしたが、どうやら例外もあるよう

で、河江さんはその例外の一つ。私が

知っているだけでも3回は登って調査を

しています 笑 日本のメディアでは、

2015年にTBSの『世界ふしぎ発見!』

というテレビ番組で、これは登頂した上に、

空撮も敢行していました。歴史的な番組の

回となりましたが、これにも河江さんは参加

していますので、エジプト政府に河江さんの

口添えがあったのではないでしょうか 笑

いずれにしても偉業といえます。

さて、エジプト展も佳境。本丸である

ミイラの展示ブースへと歩を進めます。

これらの壺はミイラの内臓を保管する

壺のようです。仏教の即身仏のように、

食料として、体が腐り難くくなる、かやの

実や、漆などを摂取することで腐らずに

果ててゆく方法とは異なりますね。

ミイラの展示ブースの入り口では、アニメ

ーションでミイラの作り方を繰り返し放映

していました。これもわかりやすく、小さな

お子さんも興味が持てる内容となっています。

そして、今回の目玉でしょうか。私は

この文言に惹かれました。

みどころの2になりますか。人間のミイラ

が2体。さらに動物のミイラも展示! と

ありますね。

まずは動物。動物とは猫のようです。この

画像では大小二つの猫型の棺? が見受け

られます。小さな物は猫にしては小さく、

大きな物は大きすぎる。おそらく大きな棺

の中には猫のミイラが納められているので

しょうが、中身は観られないようでした。

では、人間の方はといえば、、

棺が空いている。中身はどこへ、、

こちらと、、

こちらは棺と中身の形状が似ています。

外と中ということでしょうか。包帯で簀巻

きはミイラの典型ですよね。しかし、、

では、こちらは、、開けてありますが、

中身は綺麗な絵柄の布に巻かれています

。と、ここまでご覧になると、正直。

物足りなさを感じた、もしくはこれから

ご覧になる方も、行くのを躊躇ってしまう

。などと考えてしまいますよね。おそらく

ほとんどの方は、

こういった、一糸纏わぬ姿を想像なさって

いたはずです。ですが、ご安心ください。

ミイラの中身が公開されていないという

ことは、そのミイラは手付かずということ

を意味します。そもそもミイラ化までさせて

未来に残されるような御遺体は、身分の高い

王族や高官であるはずですから、ミイラ化

させ、木棺やカルトナージュに納める時に

、宝石や金銀財宝と共に弔われます。これ

を墓荒らしの類が見過ごすわけがありま

せん。もちろん、防腐処理がしっかりと

施されているかどうか。その確認のために

開封されているものもありますが、とに

かく、未開封のミイラは大変貴重なのです。

今回の展示物が未開封かどうかは触れてい

なかったと思いますが、物足りなさを感じ

るより、貴重な体験をしたと考えましょう

笑 まあ、、とは言っても。展示ブース

内は現状をどう捉えたらいいのかわからな

い様子の方たちで溢れていましたが 笑

どちらかというと。そちらを見物してまし

たかね。私は 笑

音声ガイドでは、そのままエピローグへ

と移り、皆一様に、狐につままれたような

面持ちで三々五々展覧会のショップへと

消えていきました。私も続きます。

今回、ショップのラインナップの中に

通好みというか、気の利いたピラミッド

の模型を発見しました。これも残念ながら

撮り忘れたのですが 笑 白いピラミッド

の模型です。皆さん、ピラミッドは太古の昔

、白かったのですよ。ご存知でした? 王朝

も世代が交代し、石材が足りなくなると、

時の王はあそこにあるじゃないかと、石灰岩

で覆われたピラミッドを削ってしまい、

取り尽くしてしまいました。まあ、無用の

長物だという認識だったのでしょうね。

その無用の長物を削ってまた、無用の長物を

造ってしまったわけですが 笑 白いピラミ

ッドは現代では残っていません。削ったあと

の名残なら観られますけどね。

ネズミがチーズを齧るように削られていき、

雨や風化なども手伝って、現在我々の眼に

馴染んでいるベージュ色で凸凹したピラミ

ッドとなったのです。白いピラミッド。

一度リアルで観てみたいものです。まあ、

現在のものも観ていませんが 笑

さて、今回は現在公開中の古代エジプト展

をご紹介しました。非常に楽しかったです。

皆さんも是非。では、また、、

再入荷。

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

日本海側は積雪量が記録的な状況で、所謂、

ドカ雪に見舞われていますが、東京は朝晩の

冷え込みはともかく、昼間は暖かいですね。

さて、再入荷。

バーボンウイスキー、ベイゼルヘイデン。こち

らは8年熟成ですね。何が特徴なのかといい

ますと、それは低めのプルーフ。アルコール

度数です。こちらの銘柄は、バーボンウイス

キーにしては珍しい80プルーフ。ちょうど

40度になります。加水していないカスク

ストレングスを除き、バーボンウイスキーの

アルコール度数は他国のウイスキー。もち

ろん、我々日本も含めて比べると、高めに

設定されています。これは、1897年に

制定されたアメリカのウイスキー法の一つ

である、ボトルドインボンドの名残です。

当時、酒を水増しする悪徳業者が増えた

ため、アルコール度数が50%以上でない

と販売出来ないという法律を作りました。

時代は流れてもその名残の一つとして

引き継がれています。定番のバーボンウイス

キーとして有名なワイルドターキーなどは

未だに50.5度で販売されています。

ベイゼルヘイデンはバーボンウイスキーの

アルコール度数としては最弱でしょう。

最弱だからこそ、その役割は大きい。その

まま飲んでも、オンザロックでも、ソーダ

でなどで割るのも良いでしょう。ほのかに

香るバニラ香。邪魔にならない存在感で

バーライフを彩ります。一度お試しくださ

い。

さて、続いて久々のシャルトリューズ。こちら

はジョーヌ。黄色い方ですね。まさかの高騰

で昔のように気軽に楽しめなくなりそうでは

あります。知り合いのバーでは、代用品を用意

すると言っていましたが、シャルトリューズに

代わりはありません。美味しいリキュールです

から当店では続投です。アラスカはやはり、

シャルトリューズで。ご注文お待ちしており

ます。

さて、今回はこの辺で。では、また、、