カクテル・ディクショナリー No.37 午後の死


皆さんこんにちは、バー シエールの岡本

です。今回はこちら。

CD No.37 午後の死

アメリカが生んだ20世紀の文豪。

アーネスト・ベヘミングウェイの短編

である、Death in the Afternoon   デス・

イン・ザ・アフタヌーン(午後の死)と

いう小説で考案されたカクテル。発案され

た当初は黒色火薬をシャンパンで割るよう

な突拍子もないカクテルでしたが、あまり

に一般的でなかったため、のちにアブサン

やペルノーといった薬草界のリキュールを

割るようになりました。これが不思議と

美味しい。薬草系のリキュールをシャン

パンやスパークリングワインで割るカクテ

ルは他にもありますが、アブサンはリキュ

ールの中でも非常に香りが強いため、火薬

の硫黄臭になるべく寄せた結果でしょうか

。黒色火薬をシャンパンで割るなど、現代

においても、全く一般的ではないのです

が。そもそも何故黒色火薬なのかという

と、これはヘミングウェイ自身がスランプ

時期に自害を試みた際に使われたようで

、火薬を口いっぱいに頬張って着火し、

爆死しようと試みたところ、まあ、口内

ですから唾液が火薬を湿らすわけで、着火

には至らず失敗に終わったのですが、詰め

込んだ火薬が喉に詰まり、慌てて手を伸ば

した先にはシャンパンが、、まあ、その

ように伝わっています 笑 まさに命懸け

のカクテルですね。己の死ですらネタに

してしまうのは、今も昔も変わらない

、作家など、クリエイターたちに宿る

〝性〟というものでしょうか。

その依存性の高さや幻覚症状から、禁忌

の酒と呼ばれたアブサンと、現代でも

祝杯に多く使われる歓喜の酒の象徴でも

あるシャンパンとのマリアージュです。

まさしく生と死の狭間を描く、シンボ

リックなカクテルではないでしょうか。

などと大袈裟に述べましたが、とても

美味しいカクテルです 笑 是非。

 

:レシピ(当店)

・ 午後の死

アブサン or     ペルノー   30ml

シャンパン         適量

フルート型シャンパングラスに

アブサンかペルノーを注ぎ、シャンパン

で満たして軽くステア。

 

では、また、、