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カクテルディクショナリー No.7 グラスホッパー

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回はこちら。

CD No.7 グラスホッパー

グラスホッパーとはバッタやキリギリスを

意味します。チョコミントのカクテルとし

て人気のあるショートカクテルで、主に

食後にお勧めしているデザートカクテル

でしょうか。ただ、今と昔では作り方に

かなりの変化があったカクテルで、こちら

が旧式のグラスホッパーになります。

これはプースカフェスタイルといって、酒の

アルコール度数や比重を利用して、ご覧のよう

に、幾つかの層を重ねて作るカクテルを指し

ます。この頃のグラスホッパーは短い時間で

頂くショートカクテルとは違い、まず目で

楽しみ、時間を掛けて進めていくロングカク

テルでした。そもそもカクテル名のグラス

ホッパーとは、カクテルの色味からの由来と

されていますが、この時代からグラスホッパ

ーであったとするなら、バッタの腹の部分

を模したのでしょうか。少しグロテスクな

気もしますが 笑 いずれにしても。なる

べくして今のスタイルへの変化があります。

しっかりと撹拌し冷やしたからこその人気

ですから、もはや別物として考えるのが

良いでしょう。人気のあるカクテルです

から、デザート代わりに是非お試しくだ

さい。

 

:レシピ

・ グラスホッパー

ホワイトカカオリキュール     20ml

グリーンミントリキュール  20ml

生クリーム  20ml

充分にシェイクしてカクテルグラスへ

注ぐ。

 

では、また、、

ゴールデンウィークのお知らせ。2025。

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今年もゴールデンウィークの季節になりました。

2025年のゴールデンウィークは、前半後半

ともに、5月4日(日曜日)も含め、祝日は

通常営業になります。尚、代休としまして、

5月7日(水曜日)はお休みを頂きますので、

ご留意くださいませ。

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.6 上海(シャンハイ)

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回はこちら。

CD No.6 上海(シャンハイ)

港町カクテルというものがカクテルの世界

には存在します。古来より、港は外国の

最先端の情報や文化で溢れていました。

謂わば情報の源。日本でいえば、長崎、

横浜などは良い例でしょうか。世界各国。

どの港町もそのエリアの風土と相まって独特

の発展を遂げています。そして酒もまた、

その中の一つでした。勿論カクテルも然り。

港町カクテルとは、その港町が当時隆盛を

極めていた証であり、アイコニックな存在と

いえるでしょう。上海カクテルとは、世界を

代表する港町カクテルの一つです。

上海の特徴はなんと言ってもジャマイカ産

のダークラムとアニゼットとのシナジーで

しょう。ジャマイカ産のラム酒は使用水に

石灰岩水を用いるため、独特なエステル香

がします。アニゼットは甘く、アニスシード

のリキュールで、風味は中華料理などで使う

八角に似ています。これらに割って入るのが

酸味を司るレモンジュースと、港町の夕間暮

れを演出する微量のグレナデンシロップです。

ヴィジュアルは勿論、甘味酸味のバランスが

絶妙なカクテルですね。好き嫌いが顕著に

分かれるカクテルではありますが、アルコ

ール度数もショートカクテルにしてはライト

ですし、個性派好きには誂え向きなカク

テルかと思います。是非一度お試しくださ

い。

 

:レシピ(当店)

・ 上海(シャンハイ)

ジャマイカ産ダークラム 24ml

フレッシュレモンジュース                           18ml

アニゼット       12ml

グレナデンシロップ    6ml

シェイクしてカクテルグラスに注ぐ。

レモンピールで香り付け。

 

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.5 マンハッタン

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回はこちら。

CD No.5 マンハッタン

”カクテルの女王”  と呼ばれる、マティーニ

の対なる存在として古くからあるカクテル。

このカクテルには、ライウイスキーとヴェル

モットのスウィートを使用します。マティー

ニにもヴェルモットは使いますが、それは

ドライヴェルモット。スウィートは文字通り

甘さのあるヴェルモットです。色味に加えて

このあたりの違いも”カクテルの女王”  たる

所以でしょうか。ドライを追求するマティ

ーニとは異なり、甘くてバランスの良い

、それでいてしっかりと飲みごたえのある

ショートカクテルがマンハッタンです。

誕生エピソードはやはりたくさんあります

が、カクテル名が既に地名ですので、ニュ

ーヨークのマンハッタンが関わっているの

は間違いありません。当店では、マンハッ

タンのシンボルである、マラスキーノチェ

リーをブラックチェリーのリキュール漬け

に変えてあります。昔ながらのマラスキーノ

チェリーをご所望であれば、ご用意致します

ので、何なりとお申し付けください。

古いカクテルは店や人によって向き合い方に

差が生じます。そのあたりもまた、カクテル

の醍醐味なのかもしれませんね。是非お試し

ください。

 

: レシピ(当店)

・ マンハッタン

ライウイスキー 40ml

スウィートヴェルモット 20ml

ステアしてカクテルグラスへ注ぎ、

オレンジピールで香り付け。ブラック

チェリーを添える。

 

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.4 モスコーミュール

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

さて。今回はこちら。

CD No.4 モスコーミュール

モスクワのラバ。という名の、こちらも

世界的に有名なカクテルの一つであり、

ウォッカベースのカクテルとしては、

ソルティドッグやスクリュードライバーと

並んで世界No.1の知名度を誇って

います。日本でも様々な場所で見かけま

すね。甘くて飲みやすいカクテル。一般的

にはそのようにイメージされているでしょ

うか。ですが、そもそも。モスコーミュー

ルと名付けられたこのカクテルには、多少

のキック力があって然るべき。馬とロバの

掛け合わせであるラバは、それなりの体格。

それなりの体力。平均的なスキルが、馬に

比べると劣るが、ロバよりはあると。労働

力としては、何につけてもちょうどいい動物

です。ウマ科の動物は後脚で相手を蹴り飛ば

す習性を持っていますが、モスコーミュール

はこのキック力から名付けられた経緯があり

ます。それも、馬ではなく、何かとちょうど

いいラバの。まあ、私が何を伝えたいのかと

いうと、モスコーミュールには、”程よい

キック力” が必要だということです。

モスコーミュールには、ジンジャービアか

ジンジャーエールを使います。ジンジャー

とは生姜です。どちらも現代ではアルコー

ルのない生姜の炭酸飲料になります。生生姜

を使うこともありますが、刺激が強すぎる

ため、当店ではあまりお勧めしていません

が、生姜の香りや風味を増すためにジンジ

ャーシロップを使っています。”程よいキック

力” を保つためには必需品となります。

一般的なロングカクテルとして、あらゆる

場所で見るようになった、飲みやすさに特化

したモスコーミュールとは違い、”程よい

キック力” を意識したモスコーミュールを

是非お試しください。

 

レシピ:(当店)

・ モスコーミュール

ウォッカ 35ml

フレッシュライムジュース   7ml

ジンジャーシロップ 7ml

グラスに材料を注ぎしっかりと

ステア。ジンジャーエールで満たして

軽くステア。

 

今回はこの辺で。

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.3 マタドール

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

さて、早速いってみましょう。

CD No.3 マタドール

テキーラをベースとしたジューシーで

すっきりとしたロックスタイルのカクテル

です。マタドールとは闘牛士という意味で

、闘牛士といえば、スペインの闘牛ですが、

ベースであるテキーラの原産国はメキシコ

です。カクテルとしてのマタドールは、どの

文献にも、これといった定説は存在しませ

ん。イメージだけでお話しするとしたら、

情熱的なカクテルだということになります

か。テキーラのイメージそのままで、熱い

カクテルであると 笑 しかし、そんな

誕生エピソードや余計な補正などはこの

カクテルには必要ありませんね。美味し

いカクテルですから。肝となるのはテキー

ラとライムという定番の組み合わせに

割って入るパイナップルジュースの存在

でしょうか。当店では、市販のパイナッ

プルジュースとフレッシュのパイナップル

をブレンダーに掛け、漉してからオリジ

ナルのジュースとして使用します。市販の

パイナップルジュースでは酸味が強すぎ

ますし、フレッシュは潰してもたいしてジ

ュースは取れませんので、このようにして

からカクテルに使うようにしています。

マタドールは泡立ちが多い方が好ましい

ですね。当店では、撹拌機で撹拌して

泡立ててから軽めにシェイクしています。

マタドールは程よいアルコール度数に

程よい量のカクテルです。いちおう

ロングカクテル枠に入りますが、ロック

スタイルのカクテルはショートとロング

のちょうど間くらいと考えれば良いかと

思います。何を飲むのか迷った時に、

ぴったりはまるカクテルでもありますか。

お試しください。

 

: レシピ(当店)

・ マタドール

テキーラシルバー   30ml

パイナップルジュース  45ml

フレッシュライムジュース                      10ml

シェイクしてロックグラスへ注ぐ。

 

今回はこの辺で。

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.2 サイドカー

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回もカクテルのお話をしていきましょう。

では早速。

CD No.2 サイドカー

20世紀初期からあるカクテルです。

古いカクテルには、様々なエピソードが

付いて回ります。広く知られているもの

から、そうではないが、そうあって欲しい

ものまで。ご自身が信頼しているバーテンダ

ーが唱える説を刷り込むのも良いでしょう。

カクテルに限りませんが、その酒にまつわる

エピソードは良いつまみになります。ご自身

の知る範囲で構いませんので、意識して

みると、不思議とエピソード補正が発生して

そのお味も引き立ちます。ではここで、

数あるサイドカーのエピソードの中で、

私が信じてやまないエピソードである

”真レディキラー”   というエピソードを

ご紹介。そもそもレディキラーとは、古く

からカクテル界隈でそう呼ばれる、所謂

女性を酔わせるためのカクテルのことで。

口当たりが良く、飲みやすいが、高アルコー

ル度数のため、いつのまにか酩酊していると

いう魔性のカクテルです。サイドカーが公道

を走るようになった頃。時代的にまだ道の

舗装が成されていない公道は凸凹道です。

サイドカー内は相当な揺れだったでしょうね。

当時のサイドカーには、転落防止のカバー

などありません。そこで多発したのがやはり

転落事故。高速で転落すればほぼ即死です。

古い時代はサイドカーに乗るのは主に女性で

あったため、被害者は女性ばかり。まさに

サイドカーといえば、レディキラーという

洒落にならない風評から。カクテルのレディ

キラーへとその名を連ねるかたちとなりまし

た。

いかがでしょうか、こちらのエピソード。

カクテルによくある美談ではなく、リアル

で生々しいという点が私は気に入っていま

す。

ところで、カクテルでの、レディキラーとし

てのサイドカーの役割はどうかというと、

ブランデーをベースにホワイトキュラソーと

レモンジュースを 2:1:1 という

ショートカクテルとしては定番の黄金比率

で作られます。正直。レディキラーという

よりは、万人が美味しいと認める柑橘の

利いた代表的なカクテルの一つではないで

しょうか。ブランデーは葡萄(食用ではあり

ませんが)の蒸留酒を樽熟成させた酒です。

葡萄と柑橘に甘い柑橘系のリキュール(ホワ

イトキュラソー)と考えれば想像もしやすい

かと思います。初めての方も、そうでない

方も、是非一度お試しください。

 

: レシピ(当店)

・ サイドカー

コニャックブランデー 30ml

ホワイトキュラソー  15ml

フレッシュレモンジュース                      15ml

オレンジキュラソー   3ml

シェイクしてカクテルグラスに注ぐ。

レモンピールで香り付け。

 

今回はこの辺で。

では、また、、

カクテル・ディクショナリー No.1 マティーニ

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回から始まるカクテル・ディクショナリー。

そのカクテルにまつわるエピソードや、テイ

スティングノートなどをレシピも含め、当店

独自のレビューで展開していきます。では、

早速。先頭を飾るのはやはりこのカクテル。

:CD No.1 マティーニ

”カクテルの王様” などと評される、名実共に

世界No.1のネーミングバリューを持つカク

テル。基本、ジンをベースにドライヴェルモ

ットというフレーバードワインと合わせて

作るショートカクテルです。著名な小説、

テレビドラマや映画に多く登場している

世界的に有名なカクテルですが、高アルコ

ール度数であるため、飲み手を選ぶカクテル

でもあります。有名なので一度は体験してみ

てはと勧めたいところではありますが、自信

がない方は、オンザロックスタイルにして、

多少飲みやすくしてからというのも悪くは

ありません。当店では、ドライジンとドライ

ヴェルモットの比率で一般的にドライマティ

ーニとされる、5: 1 の割合で通常は

お出ししていますが、現場でお話ししながら

アルコール度数の高いドライジンの割合を

少なくして提供させていただくこともござ

いますので、遠慮なくお申し付けください。

ジンのストレートやロックを好むお客様で

経験の無い方も是非一度お試しください。

シンプルで飲みごたえ抜群の美味しいカク

テルです。

 

:レシピ(当店)

・マティーニ

ドライジン     50ml

ドライヴェルモット 10ml

ステアしてカクテルグラスへ注ぐ

アンチョビオリーブを添え、レモンピール

で香り付け。

 

今回はこの辺で。

では、また、、

24周年。

皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

早いもので当店も来月の4月2日で24周年

となります。コロナ禍はあれほど長く感じまし

たのに、世の中が回り始めるとこんなにも早く

時の流れを感じます。不思議なものですね。

特別な催しなどはありませんが、ふと思い出し

た際には是非遊びにいらしてください。お待ち

しております。

では、また、、

祝50周年わたせせいぞう展。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

さて、今回は当ブログでも一度取り上げた

ことのある『ハートカクテル』の原作者。

わたせせいぞうさんの50周年記念わたせ

せいぞう展に先日お邪魔してまいりました

ので、その様子をお話しします。

池袋東武百貨店の8階。催事場の特設

ブースにて、2月6日からバレンタインデー

の前日13日まで開催しておりました。バレ

ンタインのチョコレートイベントと隣接させ

てあるあたり。やはり誰もが認めるラブスト

ーリーのスペシャリスト。ただ、この二つの

ブースは年齢層の幅が一目瞭然でしたが 笑

わたせさんは小説家の村上春樹さんと同大学、

そしてほぼ同年代です。村上さんも変わりま

せんが、70代でバレンタインイベントとの

コラボレーションが出来るというのは、

側から見れば羨ましさ半分と、気恥ずか

しさ半分という印象です 笑 コロナ禍

を機に、わたせせいぞうチャンネルという

Youtube での配信が始まり、冒頭ご本人から

の挨拶と、その後は『ワンダーカクテル』と

いう配信番組がスタートしました。今回の

個展は代表作である『ハートカクテル』を

はじめ、東京の風景やさまざまな企業との

コラボレーション作品も取り揃えておりま

した。懐かしいものから目新しいものまで

、中々の見応えでした。

わたせさんといえば、スクーターは

お馴染みのヴェスピーノ(ヴェスパ)。

作中に多く登場するアイコニックな

存在としてしっかり置いてありました 笑

そして車はポルシェ356ですよね。

本物より美しい 笑 わたせさんが描く

主人公たちが乗ると更に引き立ちます。

どちらも基本、カラーはレッドですが、

ヴェスピーノは特にカラーが豊富ですから、

その都度作品の表情が変わるので楽しめます

。50周年のイラストはイエローですね。

パステルのイエローもまた捨て難いですね。

実は、『ハートカクテル』はいまだに

続いています。2024年には『ハート

カクテル カラフル』を出版。(アニメ

ーションは先行して23年にNHKで

放送)もちろんこれもオールカラーの

作品ですが、ほぼ半世紀の画業歴を経て

、まだ描くかと 笑 イラストではあり

ませんから、当然、物語も綴っています。

まだまだわたせせいぞうという泉は枯れ

ていないことは確認出来ました 笑

画像は50周年を記念して出版された

作品です。迷わず購入しました。

現代では特に、イラストレーターとしての

イメージが強いわたせさんですが、私はなん

と言っても『ハートカクテル』です。以前

にも語りましたが、この作品は日本テレビ

にて当時の日本たばこが提供していた短い

深夜枠。たばこ一本のストーリー。ハート

カクテル。というキャッチフレーズで、19

86年から88年まで放映(原作はモーニン

グにて1983年から90年まで連載)され

ていました。私は当時中学生でしたが、

たった10分足らずの短いストーリーを

鮮明に覚えていて、大人になり、原作者や

時代背景などを調べることになりました。

まあ、この作品もまた、バブルの賜物。

気障ったらしい台詞に洒落たファッション

や車。アニメーションというよりは、モダン

なイラストにアテレコしたアーティスティッ

クな作品。バブル臭気全開で当時からアンチ

も多かったと聞いています。でもそれは

この作品の表層的な部分であって、じっくり

と味わってみれば、人情味溢れるハートウォ

ーミングな物語が多く。ショートストーリー

ならではの、人に想像を促す純文学のような

余韻をもたらします。ただ、、基本的な問題

なのですけれど、原作の吹き出しが手書き

なのは新規のファンが入りにくい要因の

一つとなっています。しかしこれは今更で

はあるし、わたせさんのこだわりの一つです

ので、ここでぼやいても詮無き事。味わい

はあるのですけどねぇ、、まあ、読み辛い

『ハートカクテル』のアニメーション

といえば、音楽も捨て置けません。

松岡直也さんを中心に、島健さん。三枝

成彰さんなども参加しています。流麗な

ピアノの曲からポップでリズミカルな曲。

クラシックからジャズにビートルズ。果ては

ジャパニーズポップスまでと。幅広くBGM

として挿入されています。曲に関しては、今

現在80年代の作品を観ても、今現在20

20年代の作品を観ても、根底にあるものは

変わっていません。ベクトルというか、テイ

ストというか、変えずにいてくれています。

それはまあ、原作も同じですけれど。こう

いったブレない面があるのはファンとして

は嬉しいものですよね。

『ハートカクテル』には洋酒が多く登場しま

す。ビールはバドワイザー、レーベンブロイ。

スコッチウイスキーはカティサーク、ボウモ

ア。カクテルはスプリッツァ、ギムレットな

ど、覚えているのはこれくらいですか。他

にもたくさん登場しているはずです。これは

、時代背景もありますが、ご本人の

アイデンティティによるものが強いのでしょ

うね。ハードボイルドへの憧憬が自分には

あると、以前、何かのインタビューで話して

おられました。前述したYoutubeのわたせ

せいぞうチャンネルに『ワンダーカクテル』

という作品があります。全11話の中の7話

で、わかりやすくそのあたりが反映していま

すので、ご紹介。

この物語の最後に、ハードボイルド作家

レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッ

ドバイ』での名台詞。「ギムレットには

早すぎる」を意識した描写があります。

観ていただけるとわかりますが、7話の

物語は男女の別れがメインです。これと

『ロング・グッドバイ』での、マーロウ

とレノックスの別れを重ねたかたちに

なりますか。主人公が最後にギムレット

を注文するのですが、、

このように注釈が入ります。何かと比べて

しまいますが、このあたりが村上春樹(

敬愛しています)さんとは違います。あの方

の作品はお構い無しに突き進みますからね 笑

ただ、、長い別れ(ロング・グッドバイの

邦題)で有名というのは、野暮ったいと

いうか、他にやり方はなかったのでしょう

か。まあ、なかったのでしょうね 笑

主人公がギムレットを注文したくらいでは、

チャンドラーを意識したことが伝わらない

ので、ショートストーリーでまとめるには

最善だったのでしょうけれど、何か他に、

と、つい考え込んでしまう作品でもあります

笑 この物語には、ボウモアやギムレッ

トが登場しますので、とても気に入っている

作品の一つです。良かったらご覧になって

ください。タイトルは、『暖炉の女神』に

なります。

さて、長くなりましたが、今回はわたせ

せいぞう展での様子と、一部だけではあり

ますが、作品の紹介をさせていただきまし

た。画業50周年ということですが、まだ

まだ楽しませていただいております。

また個展があれば、可能な限りお邪魔した

いと思います。今回はこの辺で。

では、また、、