カクテル・ディクショナリー No.2 サイドカー


皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。

今回もカクテルのお話をしていきましょう。

では早速。

CD No.2 サイドカー

20世紀初期からあるカクテルです。

古いカクテルには、様々なエピソードが

付いて回ります。広く知られているもの

から、そうではないが、そうあって欲しい

ものまで。ご自身が信頼しているバーテンダ

ーが唱える説を刷り込むのも良いでしょう。

カクテルに限りませんが、その酒にまつわる

エピソードは良いつまみになります。ご自身

の知る範囲で構いませんので、意識して

みると、不思議とエピソード補正が発生して

そのお味も引き立ちます。ではここで、

数あるサイドカーのエピソードの中で、

私が信じてやまないエピソードである

”真レディキラー”   というエピソードを

ご紹介。そもそもレディキラーとは、古く

からカクテル界隈でそう呼ばれる、所謂

女性を酔わせるためのカクテルのことで。

口当たりが良く、飲みやすいが、高アルコー

ル度数のため、いつのまにか酩酊していると

いう魔性のカクテルです。サイドカーが公道

を走るようになった頃。時代的にまだ道の

舗装が成されていない公道は凸凹道です。

サイドカー内は相当な揺れだったでしょうね。

当時のサイドカーには、転落防止のカバー

などありません。そこで多発したのがやはり

転落事故。高速で転落すればほぼ即死です。

古い時代はサイドカーに乗るのは主に女性で

あったため、被害者は女性ばかり。まさに

サイドカーといえば、レディキラーという

洒落にならない風評から。カクテルのレディ

キラーへとその名を連ねるかたちとなりまし

た。

いかがでしょうか、こちらのエピソード。

カクテルによくある美談ではなく、リアル

で生々しいという点が私は気に入っていま

す。

ところで、カクテルでの、レディキラーとし

てのサイドカーの役割はどうかというと、

ブランデーをベースにホワイトキュラソーと

レモンジュースを 2:1:1 という

ショートカクテルとしては定番の黄金比率

で作られます。正直。レディキラーという

よりは、万人が美味しいと認める柑橘の

利いた代表的なカクテルの一つではないで

しょうか。ブランデーは葡萄(食用ではあり

ませんが)の蒸留酒を樽熟成させた酒です。

葡萄と柑橘に甘い柑橘系のリキュール(ホワ

イトキュラソー)と考えれば想像もしやすい

かと思います。初めての方も、そうでない

方も、是非一度お試しください。

 

: レシピ(当店)

・ サイドカー

コニャックブランデー 30ml

ホワイトキュラソー  15ml

フレッシュレモンジュース                      15ml

オレンジキュラソー   3ml

シェイクしてカクテルグラスに注ぐ。

レモンピールで香り付け。

 

今回はこの辺で。

では、また、、