皆さんこんにちは、バー シエールの岡本です。
早いもので、来月4月2日で、当店も丸23年
となります。コロナ禍真っ只中で20周年を
迎えたのは記憶に新しいものの、あれからも
すでに3年経過していると思うと、コロナ禍も
また、駆け足でやってきたのだなと実感します。
そしてこれまでも、これからも、たくさんの
人々が駆け抜けてゆき、駆け抜けてゆくので
しょうね。出会い、見送り、そしてまた出会う。
繰り返される映画のように大抵の場合、同じ
結末になります。ただ、キャスティングは毎回
違うので、実は楽しめているのですけれど 笑
それと、これは20周年を越えたあたりから
でしょうか。ちょっとした悩みといいますか、
これもまた自身の劣化なのでしょう。大変失礼
なのですが、古いお客様を忘れていきます 笑
なんといいますか、お名前とお顔が一致しない
程度の問題なら容易に克服出来るのですが、
根こそぎといいますか、その方の情報が一切
蘇らないケースが増えているのです 笑 これ
は私の性格も影響していると思うのですが、
過去を振り返って思い出に耽るのは人として
自然だし、悪い思考だとは思わないのですが、
私、基本的に前しか向かない性分でして。過去を
鑑み、今に活かす作業は必ずしますが、慣れ親
んだ思い出にしがみついて今を台無しにするの
が怖いのでしょうね。あろうことか、縁が途切
れてしまった方々を記憶の外に置いてしまうの
です。現在進行しているお客様は一昔前と同じ
ように頭に入れ、懸命に向き合います。これは
もう、簡単にいえばキャパシティオーバーなの
でしょうね。このちっぽけな頭には、もはや
古い記憶を維持しておくスペースが残されてい
ないのでしょう 笑 このような悩みがここ
近年増えていて、話していくうちに思い出す
というケースが頻発してしまい、せっかく顔を
出してもらった方々には、大変申し訳なく
思っております。ただ、一つ言い訳をさせ
て頂けるのなら、これは私が逆の立場でも常
日頃肝に銘じているのですが、店というのは、
客サイドからはオンリーワンであっても、店側
からすれば、お客様はたくさんの中の一つです。
10年も20年も経っていて、唐突に、「よお」
などと手を挙げてご来店されても、店サイドは
困惑するだけです 笑 そして今後、もしそんな
状況で私が失礼をしましたら、そこは恥を忍んで、
名乗って頂ければ幸いです。不遜な願い事だと
いうのは重々承知しておりますが、これも
介護の一つだと思って割り切って頂き、また
そこから始めませんか 笑 そんな23年です。
今後とも宜しくお願い致します。
では、また、、
皆さんこんにちは。バー シエールの岡本です。
寒の戻りにしては時期が早いですが、寒暖差が
体に堪えます。花粉も相まって辛さも倍増です
よね。わかります。さて、今回は、当店でも
昔から作り続けている。いわゆる、フルーツ
カクテルについて少しお話しします。
一般的にバーにおけるフルーツカクテルとは、
スタンダードカクテルなどで使用するレモン
、ライム、オレンジ、グレープフルーツでは
なく、季節の果物や産地指定の果物を使って
作るカクテルをそう呼ぶ風潮があります。
もちろん、前者に挙げたフルーツを使って
フルーツカクテルを作ることも可能では
あるし、間違いではないのですが、フルーツ
カクテルとは、その店、その人物のオリジナ
ルであることがほとんどですから、どこの
店に行っても注文すれば提供されるかといえば
、同じものはほぼ提供されないでしょう。
これらのカクテルは簡単に言ってしまうと、
スタンダードではなく、それに追随する亜流の
カクテルなのです。ただその店、その人物の
付加価値に十二分になり得るカクテルですから、
あくまでもいい意味での追随ですけれど。
昨年の秋頃でしたか。約18年ぶりに訪れま
した。横浜馬車道通りのザ・バー カサブラ
ンカ。フルーツカクテルの先駆者である、山本
悌地(やまもとだいじ)さんがオーナーを
務める老舗のバーです。この方はNBA(日本
バーテンダー協会)のメンバーですが、私は
協会ですとか、有名店のお師匠さんなどとは
まるで縁がない人間ですので、当時この方の
技術だけが目当てで度々訪れ、その技術を盗み
見ては覚えを繰り返しました。フルーツカクテ
ルの分野は、その店が得意としていれば別です
が、ただバーに勤めているだけでは習得出来
ない専門分野です。まあ、その人次第という
ことになりますが、バー業務の基礎さえしっか
り身についていれば容易に出来るかというと、
そうではないのです。にわか仕込みのフルーツ
カクテルはすぐにわかります。先述したスタン
ダードカクテルに使用するレモン、ライム、
オレンジ、グレープフルーツのように、絞れば
ジュースがたくさん取れる柑橘類とは違います
から、少しコツが必要になるのです。酒とフル
ーツを繋ぐリキュール。甘味のベースとなる、
レモンとシロップ類を同量に加えることで増す
爽やかな甘み。どんな副材料にも目を向け、
発想豊かに、かといって奇をてらい過ぎずに。
この日訪れたのが秋頃でしたので、巨峰の
カクテルを頂きました。アトマイザーでブラ
ンデーを吹きかけたり、シナモンスティック
をペティナイフで手早く削ったりと。相変わら
ず隙のないお仕事ぶり。18年前。当時の私に
はとても新鮮に目に映りました。この時期、
ちょうど店が39周年だったようで、混雑して
おりましたが、未だに現役でカウンターに立っ
ていらっしゃることは、同じく長く店を続けて
いる身としては、とても勇気づけられます。
もちろん巨峰のカクテルは美味しく頂きまし
た。ですが私はこの味を知っています。何故
なら、私も同じように皆さんにお出ししてい
るからです 笑 フルーツカクテルの心の師
と仰ぐ山本氏との対面は、残念ながら短い
時間となりました。お忙しそうだったので、
外様は潔く撤退です 笑
さて。ここからは当店のお知らせです。
フルーツカクテルは現在、ミックスベリー
(ストロベリー、ブルーベリー、クランベリー
、ラズベリー)のカクテル。苺のカクテル。
バナナのカクテル。キウイフルーツのカクテ
ル。アップルマンゴーのカクテルなどをフル
ーツカクテルのラインナップとして用意して
おります。ハードリカーの合間に挟んだり、
ナイトキャップとしても最適かと思います。
気軽にお試しください。
では、また、、