ここ最近の入荷。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

暑いですねぇ、、これから梅雨に入るかと思うと

憂鬱になりますけれど、多少涼しくなると思えば

詮無い事。などと、毎年同じことを言っております

が、新入荷のお知らせです。

ブラックアダー社のピートリークというアイラ島の

モルトウイスキーです。スパイシーでパワフルな

スモーキーフレーバーを持ちながらも、味わいは

マイルドに上品で、ゆっくりと鼻腔を抜けて

ゆきます。アルコール度数は46度と最近の流れと

しては低めなので、とても穏やかに愉しむアイラ

モルトになっております。旨味が後引きますよ。

美味しいです。

続いてこちらはラム酒。マルティニーク島の

トロワ・リヴィエールがお手頃なV S O Pとなって

還帰ってきました。スパイシーでエレガント。

手作り感のあるナチュラルな甘味はやはり、

アグリコール製法の賜ですね。是非お試しくださ

い。アグリコール製法についてはコチラをどうぞ。

 

以上、新入荷のお知らせでした。では、また、、

空也上人(くうやしょうにん)とコロナ。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

雨の日が続きますね。このまま梅雨入りでしょう

か。さて、今回は先日、ある展覧会にお邪魔して

参りましたので、再び上野からのスタートになり

ます。この日もやはり、前日の酒が残っており

まして、今日こそはアルコールを控えようと

上野駅の公園口を出て、ひとまずコーヒーを

求めて、颯爽と駅前のカフェへと体を滑らせた

ところ、、

頂きます 笑

というわけで到着です。今回は、3月1日から

5月8日まで上野の東京国立博物館で開催された、

空也上人と六波羅蜜寺という展覧会にお邪魔して

参りましたので、その様子を少しお話しさせて

頂きます。

さて、まずはじめに、そもそも空也上人とは

いったい何者? という方の為にも少し触れて

おきますね。空也上人とは、平安時代中期に実在

した僧侶で、日本に於いて浄土教で称名念仏

(しょうみょうねんぶつ)を広めた先駆者なの

です。まあ、簡単に言ってしまえば、日本で初めて

南無阿弥陀仏を流行らせた偉人です。出家してから

は南無阿弥陀仏を説いて諸国を巡り、道路や橋梁。

寺院など。仏道を通じて多くの社会事業に貢献。

天暦5年(西暦951年)頃、京都で流行病が蔓延した

際に、一日も早い収束を祈願して造られたのが

現在国宝とされている、祈り十一面観音菩薩立像と

西光寺(現在の六波羅蜜寺)になります。今回、

約半世紀ぶりに東京に御目見したこの木造立像は、

空也上人の没後約250年ほど経ってから造られた

と伝えられています。疫病の収束を願って止まなか

った空也上人の強い思いが、1000年の時を超え

、現代にはびこるコロナという災厄を祓ってくれる

と信じて、この度はご拝謁を賜りました。

空也上人木造立像といえば、やはりこの独特の

フォルムですね。まったくをもって不謹慎なの

ですが、正直初見では、、

こちら、ですとか、、(はじめ人間ギャートルズ)

こちらなどが頭に浮かびました 笑 (Dr.スタン

プアラレちゃんより。んちゃ砲)

実はこの突起物には当然、大変な意味がござい

まして、、

わかりにくいのですが、空也上人の口から飛び出し

ているこの突起物。よく見れば六体の仏様なので

す。それぞれに、南、無、阿、弥、陀、仏を意味

する仏様らしく、これは、南無阿弥陀仏を説いて

諸国を巡ってきた空也上人のイメージそのもの

なのです。短身痩躯でありながらも筋肉質であるこ

とから、相当な距離を練り歩いたのでしょうね。

まさに身を削って仏道を邁進された空也上人。

口からは一意専心に南無阿弥陀仏の言霊を発現

させ、人々の安寧を願います。

上から、地蔵菩薩立像、薬師如来坐像、閻魔坐像

など、空也上人木造立像の他にも数点、六波羅蜜寺

所蔵の重要文化財がずらりと並んで威光を放って

おりました。その姿はいずれも仏の名に相応しく、

荘厳で、霊験あらたかに見るものを六道輪廻へと

導きます。特に薬師如来坐像は医薬の仏になります

から念入りに拝みます 笑 手のひらに薬壺を

載せているのが特徴ですね。

さて、あいにくの空模様ではありましたが、館内を

隈なく廻り、充分愉しみましたのでそろそろ

お暇致します。久方ぶりの来訪となった東京国立

博物館でしたが、絢爛豪華。何とも瀟洒な

佇まいです。こちらの博物館は日本最古の博物館

で、1872年に創設されております。明治5年で

すからね。何度も修復されてきたのでしょうけど、

外観だけではなく、敷地内や屋内でも、随所に時代

を感じさせられます。

転合庵という、敷地内にある茶室です。雨脚が

強すぎて上手く撮れなかったので画像をお借り

しました。桜の季節も良いですね。

昭和の風物詩の一つである黒電話。館内の内線に

使われています。

正面玄関を入ってすぐの大階段ですね。昇り降り

するだけで高揚するこちらの階段。凡庸な私の

頭では、もはやドラマ半沢直樹の東京中央銀行

くらいしか想像出来ませんね。申し訳ないDeath。

さて、今回も薮そばで一杯やってから帰ります。

この日は5月とは思えない寒さで体が冷えましたの

で、燗をつけてもらいました。

いつも通りせいろ蕎麦で締めます。ご馳走様でし

た。そば湯を啜りながら展覧会を振り返ります。

正直私、神仏に傾倒するタイプではございません。

アートとしては非常に興味があるのですが、その

程度ですかねぇ。今回訪れたのは、人間、最後は

神頼みと云いますでしょう。コロナがこのまま

収束し、何事もなかったように遠い日の災厄と

なり、世の中がコロナ前に戻るとは私には到底

思えないのです。ですがもはや、制限下での生活

を強いられることはないでしょう。取りも直さず

これは、支援もないということに繋がります。

ここからがコロナ禍で生き残った飲食店の本番

です。この日空也上人を詣でたことで、そう簡単に

状況が好転するとも思えませんけれども。柄にも

無く験を担いたところまでは良かったのですが、

例の如く、このあと数軒梯子をしまして、敬虔な

祈りは遥か忘却の彼方へ。嗚呼、、ご利益が消えて

ゆく、、笑

では、また、、

金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅です。孔雀王を思い

出しますね 笑

G W の営業。2022。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

今年ももう5月ですか。早すぎますね。

さて、今年のゴールデンウィークの営業ですが、

定休日である日曜日以外は通常通りの営業になり

ます。長引くコロナ禍の中で、何の規制もない

ゴールデンウィークは久々ですね。感染対策を

忘れずに楽しんでまいりましょう。

では、また、、

営業時間の変更。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

温度差が激しい日々が続いて体がまいってしまい

ますね。これも温暖化の影響でしょうか。このまま

日本から四季が消えてしまいそうで、何だか

切ないですね。皆さんも体調にはくれぐれもお気を

つけください。

さて、コロナの感染者数も少し減ってまいりました

ので、営業時間を再度調整させて頂きます。

4月22日(金曜日)より、新しい営業時間は、

18時〜2時となります。現状から1時間延長と

なりますね。よろしくお願い致します。

さて、最後にここ最近入荷したウイスキーたちを

簡単にご紹介させて頂きます。

向かって左から、

ウイスキーミュウ「ロンドン ナショナル・
ギャラリー」 フェルメール『ヴァージナルの
前に座る若い女性』ラベル グレンマレイ2007
13年 60.5%。

こちらはフェルメールの絵画がラベリングされた

グレンマレイですね。まるでバニラのような

旨味があるスペイサイドのモルトウイスキーです。

その飲みやすさから高アルコール度数を感じさせ

ません。ちなみに、フェルメールのこの作品。

私はまだ直に観ていません。まさかモルト

ウイスキーが初見とは、、複雑です 笑

続いて中央のボトルは、

キルホーマン・サナイグ。

2005年にオープンしたキルホーマン蒸留所の

新作です。バーボン樽30%、オロロソシェリー

樽が70%の割合で熟成させたキルホーマンです。

熟成樽にオロロソシェリーの樽が使われている

ので、コクの強いアイラモルトになります。

シェリー樽のアイラモルトといえばラガヴーリン

が有名なので、お好きな方は、こちらも是非。

香りの数値であるフェノール値は50ppmとなる

ので、ラフロイグより少し強いくらいですかね。

美味いですよ。

そして右のボトルが、久しぶりの入荷となった

イーグルレア10年。

こちらはバーボンウイスキーですね。原酒は

バッファロートレースになります。イーグルレア

はとにかく飲みやすさが目立ちます。フォアローゼ

ズのプラチナなどに似ているでしょうか。お好き

な方は、こちらも是非お試しください。

以上、営業時間の変更と、ウイスキー各種の

紹介でした。では、また、、

桜と藪そば。まあ、それとフェルメール展。

皆さんこんにちは。バーシエールの岡本です。

休業明けで心身共に鈍っていたのですが、街に

溢れる人の数と同様に、復調してきたところです。

さて、タイトルにもある通り、今回は花見がてら

に終わり間際のフェルメール展と上野藪そばを

楽しんで参りましたので、その模様を少しだけ

お話ししたいと思います。

この日までは七分咲といったところでしょうか。

しかし前日の強風や雨を考えると、充分ではないか

と思います。しっかり春の雰囲気を味わえましたし

、この日私は若干前日の酒が残っておりましたので

、あまり満開然とされていても目に眩しいだけで

受け止めきれなかったように思うのです。コンビニ

で缶ビールを買うか迷いましたが、このしっとりと

した花見を堪能すべく、アルコールは控えたいと

桜並木を粛々と進み、大噴水の広場へ辿り着くと

、、

泡ばかりで少なかったので二杯頂きました。

しばらく広場周りの桜を摘みにうろちょろします。

早めに来て良かった 笑

さて、いちおう本番です。今回のフェルメール展は

コロナ禍による延長を経て、2月10日から公開

されていましたが、私も休業などがありましたので

ぎりぎりの来訪となりました。まあ、それと、

今回の目玉である、《窓辺で手紙を読む女》は、

2005年に国立西洋美術館で開催された、

ドレスデン展(この頃まではフェルメールという

ワードはタイトルにはありませんでした)の目玉

として来日しており、私はここで一度観ているので

、腰が重くなったということもありました。そして

更に、今回の美術展には、西洋美術だけではなく、

世界の美術界に於いて、とんでもない事件が発生

したのです。

まあ、端的に申し上げますと、

こちらが、

こちらになりました。なったというより、元に

戻された訳ですが、細かい事は抜きにして、

皆さん、普通に考えてどちらが絵画として良作だ

と思われますかね。まあ、これは間髪入れずに答え

は前者です。完全に決めつけですけどね 笑

このキューピッドには当然、この時代の絵画特有の

〝寓意〟が込められておりまして、仮面を踏みつけ

た矢を持ったキューピッドは〝欺瞞〟を意味します

ので、まあ、あれです。モデルの女性はその表情や

作品の雰囲気からして、恋人からの手紙を読んで

いますと。だがしかし、このキューピッドが意味す

るものは欺瞞。これ即ち、騙されるなと。真実の愛

を見つけなさいと。そういう解釈らしいのです。

確かに、キューピッドが無かった頃のこの作品の

解釈はぼんやりとしたものでした。あくまでも憶測

としてですが、恋人からの手紙を送り主の住まう

方角の窓をわざわざ開け放って、手紙を読むという

作業を儀式めいた描写に仕立てている。そんな風だ

ったと記憶しています。うん。いや、、それで良く

ないか? 笑 手紙がコミュニケーションツールの

最前線だった当時。恋人からの手紙を後生大事に

抱え、自分の用意したベストなロケーションで

拝読する。昭和生まれの皆さん。携帯電話が

無かった頃を思い出してください。恋人からの

電話がある時は、10分前から固定電話の前に

しがみついていませんでしたか? あの感覚です

よ。まあ、親にバレないようにワンコール以内に

受話器を取りたかっただけというのもあります

けれど。とにかく、特別な時間なのです。その

尊い時間にわざわざ水を差さなくても良いのでは

ないでしょうか。だからこそ、このキューピッドを

塗りつぶした人物も、作品の中心部を消し去ると

いう蛮行に至ったのではないでしょうか。そう。

この事件の肝はここです。このキューピッドを

消したのは、フェルメール本人ではなく、別の人物

らしいのです。どうやらその人物の特定は未だ

出来ていないらしいのですが、フェルメール

没後に消されたのは確実で、このあたりが、作品が

所蔵されているドレスデン美術館。延いては勤勉な

ドイツの美術業界の原則に反しているようです。

まあ、これは当然といえば当然ではあるのですが。

作品は作者が完成させた状態へと戻さなくては

ならない。これが原則ということで。本人が

描き直したり修復したのであれば、これは修復後が

完成であるのですが、この作品の場合、塗り潰され

た時期が作者の没後なので、完全に本人の意思では

ありません。とは言ってもねぇ、、フェルメール

の風俗画はやはり寓意よりも、静謐さなのですよ。

時間が止まっているかのような空間作り。それには

作品の中に、何もないエリアが必須なのです。まあ

フェルメールもまた、本人の意図とは違う形で脚光

を浴びた画家の一人ではあると思うので、とどの

つまり、何が正解なのかは観る人の好みになって

しまうのですけどね。私を含め、日本でこれだけ

フェルメールが注目を浴びたのは、まずはじめに

佳作の画家であったこと。モデルがほぼ女性で

あったこと。そして極め付けは、日本独自の

美意識である、侘び寂びなのだと私は思います。

そこに梯子を外すかのように違う解釈の寓意を

今更持ってこられても、はいそうですかと納得は

出来ないですよね。この作品の場合、二百年も

以前の状態であったのだから。

そして今、注目されているのがこちらの作品。

有名な作品ですね。こちらもまた、フェルメールの

風俗画。《牛乳を注ぐ女》です。私も何度か展覧会

に足を運びました。こちらの作品にも塗り潰しが

確認されております。この作品の場合、給仕の

ちょうど真後ろの壁面に地図が描かれているそう

です。はてさて、こちらはアムステルダム国立美術

館の所蔵となるので、フェルメールの故郷でもある

オランダの管轄になりますね。オランダはフェルメ

ールの他に、レンブラントやゴッホなど、ビッグ

ネームの画家を輩出している芸術大国の一つです。

ドイツはやってしまいましたが、オランダはどうす

るのでしょうね。炎上か安定か。西洋絵画の世界

に於いて、オランダの動向はかなりの影響が出るで

しょうからね。良くも悪くも、西洋絵画に対する

人々の意識が変わってしまうかもしれません。

まあ、もっとも、フェルメールの人気があるのは

日本くらいなのかもしれませんけどね。いずれに

しても、長い目で見守っていきたいと思います。

ところで、今回の美術展を置き去りに話を進めて

しまいましたが、今回のドレスデンについて少し

触れますと。んー、、2005年のドレスデンは

月をテーマに作品が集められた事もあり、絵画に

関しては私好みのラインナップでしたから、

個人的には前回のドレスデンに軍配が上がります

かね。特にこちらの作品は強く印象に残りました。

ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダールの

満月のドレスデン。芸術の都ドレスデンをエルベ

河畔側から描いた夜景画です。ドレスデンは居城を

中心に構成された都ですから、異国情緒満載です。

どうですか、この、眷属の棲家のような佇まい 笑

ドレスデンのシルエットも良いのですが、朧月にし

てあるあたりが憎い演出ですね。他にも中世の武器

や防具に、陶器や調度品と絵画以外の作品も沢山

展示されていたので、結構なボリュームでかなり

楽しめました。まあ、全体的に前回の展覧会と比べ

ると、今回は見劣りしますかねぇ、、フェルメール

も含めて残念です。次回に期待。

さて、美術館を後にして、今回は上野藪そばを

目指します。こちらは不忍池の周辺ですが、出店も

あって大賑わいでした。絵的には桜の色味がもう

少し欲しいですね。

やって参りました。上野藪そばです。この日は休日

ということもあって、街が人でごった返しておりま

したので、当然、飲食店も混み合っています。

この入り口の最前列にたどり着くまで30分は

掛かりました。脚が棒のように、、

と、ここで藪そばについて少し触れておきます。

まず、上野で藪そばといえば、やはり池之端が

頭に浮かびますよね。日本三大そばの一つである

藪そば。その御三家で、神田、並木に続いて名を

連ねたのは上野の池之端でした。ですが、池之端店

は2016年に閉店いたしまして、それからという

もの。上野での蕎麦シーンに大きく穴が開いて

しまっていたのですが、上野藪そばの存在を知って

からはこちらに病みつきです 笑

まあ、とりあえず仕切り直しで生ビールを。

突き出しの焼き味噌が嬉しいですね。

蕎麦打ち場です。カウンターに隣接していて、

目の前で蕎麦を打ってくれます。御三家のように、

お運びさんの語尾を伸ばす独特な注文の通し方や

接客で風情を味わえるのも一興ですが、この

ようにわかりやすくアピールしてもらえるのも

また一興。どうしても何かと御三家と比べて

しまいがちですが、歴史でいえばこちらも相当な

長さを誇っています。神田藪そばの暖簾分け第一

号店と聞くことはありますが、全く関係ないという

方もおられます。正直、このあたりの問題は

きな臭いし、一顧客としてはどうでもいい問題な

のですけど、伝統の味を守り抜いて、130余年の

歳月を同地で商われております。

鴨のあいやきが到着。付け合わせのネギも含めて

塩胡椒のさじ加減、焼き加減共に素晴らしく、

お酒をみぞれ酒にしてもらったのですが、この日の

蒸し暑い天候と相まって、ベストマリアージュと

なりました。合わせて四合頂きましたが、過不足

なく、美味しく頂きました。並んで良かった、、

お酒に岩塩を添えてくれるのはありがたいですね。

合鴨に振り足したり、画像ではちょっと上手く盛れ

ていませんが、私の畑に例えますと、テキーラを

生で頂く要領で、みぞれ酒を煽りました。

この日のラストが見えてきました。〆にせいろうの

大盛りを頂きました。コロナ禍で久方ぶりの藪そば

を目の前にして、今はなき、池之端の蕎麦を思い

出します。最後に食したのはいつだったか。その日

も美術展の帰りでした。今だから口に出せますが、

末期の池之端はちょっと厳しいと思いました。

理由はどうあれ、どれだけ長く続けても、ボタンを

一つ掛け違えるとみるみるうちに瓦解する。

私も長く続ける飲食店のはしくれ。改めて身に

積まされる思いです。良い思い出は沢山あるのです

けどね。ある日足を向けてみれば、固く閉ざされた

シャッターに張り紙。閉店の文言を前に立ち尽くし

ました。何とも形容し難い感情でしたが、まあ、

こうして時間は経ち、今でも上野で藪そばを

頂いています。まるで醤油のようにしょっぱい

そばつゆは相変わらずで、蕎麦を少しずつ浸して

食します。無心で食べ続け、仕上げにわさびの

利いたそば湯をしみじみと飲み干します。満足。

来て良かった。ご馳走様でした 笑

さて、結局長くなりましたが、今回はここまでと

させて頂きます。今週末は当店も21周年を迎え

ます。まあ、フェルメールや老舗の蕎麦屋と比べ

れば、ほんの一瞬ですけれども 笑

皆様、今後ともよろしくお願い致します。

では、また、、

営業再開のお知らせ。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

どうやら東京都もまん防が全面解除になるよう

ですね。これに伴い当店も営業を再開致します。

3月22日(火曜日)より、営業時間は当面、

18時00分〜01時00分までとさせて

頂きます。ひとまず、桜の季節には間に合った

ようです。昨年もこの時期はいっとき営業出来て

おりまして、何とか店の20周年を営業期間中に

終える事が出来ました。4月2日で21周年と

なりますが、無事に過ごせると良いのですが、、

では、また、、

 

東京都まん延防止等重点措置。2022。二回目。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

東京都のまん防が再び延長となりました。飲食店

には引き続き営業時間の時短要請が発令されて

おりますが、当店は変わらずに、

3月7日(月曜日)〜3月21日(月曜日)まで、

全面的に休業とさせて頂きます。二週間でどれほど

の効果があるのかは不明ですが、今は信じる他に

術がありませんので、どうかご理解の程よろしく

お願い致します。では、また、、

東京都まん延防止等重点措置。2022。延長。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

ご周知の通り、東京都のまん延防止等重点措置が

延長になりました。先週から週末のみの営業を

始めたばかりなのですが、どうやら週末も見込め

ない状況がしばらく続きそうです。よって、

2月14日(月曜日)〜3月6日(日曜日)の

期間、当店は全面的に休業とさせて頂きます。

桜の季節までには解除になっていると信じて。

再度、暫しの間お別れです。では、また、、

営業日の変更。

 

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

コロナの第6波が高止まりしています。これから

ピークが来るそうな、、ここで当店の営業日を

変更させて頂きます。2月7日(月曜日)の

週より、営業時間は変わらずに、金曜日、土曜日

のみの営業となりますので、何卒ご理解のほど

よろしくお願い致します。

では、また、、

冷蔵庫へ愛を込めて。

皆さんこんにちは、バーシエールの岡本です。

先月の24日と今月の11日に、20年以上もの

間愛用していた電化製品二つとお別れ致しました。

先に逝ったのはカウンターに沿って配置していた

業務用コールドテーブルタイプの冷凍庫。そして

後を追うようにキッチンに配置していた家庭用冷蔵

庫が静かに息を引き取りました。

嗚呼、、同志よ。さようなら。冷凍庫はバーの要

ですからね。20年もよく働いてくれました。

お疲れ様。寿命はとっくに終わっているはずなの

に、零細の店主を気遣ってか、随分と踏ん張っても

らいました。繁盛した日々も、閑古鳥が鳴く日々も

共に乗り越えた戦友です。

うぅ、、こんな、、あられもない姿に、、、

しかし汚いなぁ 笑

こちらが新入りです。これから共に歴史を刻んで

ゆきます。頑張りましょう! 笑

そしてこちらは後を追うように息を引き取った

キッチンの主の御遺体になります。まるで眠って

いるように安らかです 笑 先の冷凍庫と同期です

から、こちらも天寿を全うしたと言えるでしょう。

白物家電も長くなると愛着が湧くものですね。

20年間本当にお疲れ様。ありがとう!

しかし、、、汚いなぁ 笑

こちらも新入りです。カウンターの冷凍庫がフロン

ガスの規制で内側の容量が物理的に削られてしまっ

たので、こちらの新入りは冷凍室の容量を増加し、

カウンターの冷凍庫と合わせますと、以前より

冷やせる酒が増えました。とても優秀な子です。

当店は純然たるバーですから、こういった使い方の

方がしっくりきます。

さて、今回は相次ぐ訃報に思わず筆を取りました

が、旅立っていった冷蔵庫達を目の当たりにして、

私はある小説を思い出したのです。

ヒキタクニオさんの『俺、リフレ』という小説で

す。ひょんなことから意思を持ってしまった冷蔵庫

のお話。帯にもあるように、本当に泣ける小説です

笑 私は序盤、リフレ(冷蔵庫の名前)が自身の

構造について語るシーンで、「血液は電流だ」と

いう台詞があるのですが、そのあたりから

惹き込まれて、あっという間にリフレの虜になりま

した 笑 まあ、何せ冷蔵庫の一人称で進む物語

ですから、稚拙に感じる場面もままありますが、

家主の家族を何とか守ろうとする冷蔵庫のいじらし

さが切なすぎて、涙が止まりませんでした 笑

お勧めの小説です。他に冷蔵庫物だと、やはり阿刀

田高さんの『冷蔵庫より愛を込めて』が有名です

よね。

短編集ではありますが、私も昔読んで、阿刀田さん

の職人芸に感銘を受けました。どちらも良いのです

が、今の私の心境だと、『俺、リフレ』になるので

す。この小説はもっともっと評価されても良いはず

なんですけどね。実写化を心待ちにしています 笑

最後になりますが、これで幾つ目でしょうか、

店の家電や設備が寿命を迎えたのは。エアコンに

冷蔵庫の面々。トイレのタンクにターンテーブル

と。数え上げてみれば結構な頻度で旅立ちを

見送っています 笑 次は私ですかねぇ、、笑

そうならないよう、日々精進致しますので、今後と

もよろしくお願い致します。

では、また、、

『俺、リフレ』

『冷蔵庫より愛を込めて』